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亭主敬白

2.為替のレベルを決めるもの

「トランプはドル高が嫌だ」とか「トランプ期待がはげ落ちる」だとか「継続している」だとか、それにより為替動向を予想するコメンテータがいるが、このようなことは些細なことだ。

金利差に比べれば大統領の思惑など取るに足らない。

金曜引けの$/\のスポット為替レートは1㌦=114.50円だ。

10年の米国債(2.47%)に投資するか、10年の日本国債(0.05%)に投資するか?考えてみよう。

極めて単純化してお話すると、毎年米国債投資の方が金利を2.465%分多くもらえる。10年間で24.65%だ。したがって米国債への投資は、満期時に為替で24.65%損をして、やっと日本国債投資とブレークイーブンとなる。

$/\10年先物レートを見れば複利を考慮したブレークイーブンレートがわかる。現在10年先物の為替レートは約30円のディスカウントで84.50円近辺だ。

要は10年後の$/\のスポット為替レートが85円だと思うのなら、今は米国債投資の方が有利なのだ。

トランプ大統領が10年後のドル/\を84円50銭より円高にすると信じるのなら米国債より日本国債投資がいいだろう。しかしトランプが頑張っても10年後に1㌦=90円のドル安にしかならないと思うのならば投資家はドル国債に投資する。それの方が儲かるからだ。今、円を売ってドルを買い、ドル国債を購入するのだからドル高になる。

金利差がトランプ氏の思惑より重要だとはそういうことだ。

日米金利差がさらに開いて10年後のブレークイーブンポイントが極端な話し例えば1㌦=30円になるならば、トランプの思惑などが何と言おうと、投資家はドル国債を買うだろう。トランプ大統領が10年後に1㌦=30円以下に誘導できると思わない限り投資家はドル国債を買い、ドル高が進行するのだ。

 

3.11月8日以降の日本の株、為替のマーケットはトランプ相場だったのか?

11月8日以降の為替、株のマーケットはトランプへの期待で動いていたのだろうか?それも多少はあるだろうが、基本は米国経済が強く、金利観が変わったことによると思う。米大統領選まで利上げを躊躇したFEDは様々な統計資料を見て利上げ方向を鮮明にしてきた・それが、この2ヶ月の色々なマーケットの動きの原因だ。

11月4日の10年米国債は1.77%、それが先週金曜日(1月20日)には2.46%、この金利上昇はトランプ期待というよりは、大統領選という不透明感が無くなり本来の米国経済を反映したレートに戻ったのが原因だ。一方、日本国債のレートはほぼ変わらないから日米金利差が開いた。それにより$/¥は11月4日の1㌦=103.13円から先週末の1㌦=114.50とドル高/\安が進行した。それに伴い日本の景気回復が期待され、日経平均があがった、という動きだ。

トランプ期待がはげ落ちたところで米国債10年金利が11月のレベルに戻ることはまずないだろう。米国経済の現状(期待ではなく)を分析し、イエレンは2019年までに政策金利は3%まで上昇すると予想している。そうなれば米国10年金利は今後上昇を続けるだろう。したがって当面、今のマーケットの動きは継続すると思うのだ。マーケットだから一直線ということはないが、ドル高・円安は続くだろう。それもかなりのレベルまで。