Snowy prince・173「Snowy」
「でさ、食事会に出てきたローストビーフとか、こーーーんなにデッカくてさ、」
「へぇ(笑)、それはすごい」
「俺とヒニムで食いすぎて叱られちゃったよ」
「あぁ(笑)、、、目に浮かぶよ。2人のマナーの悪さ」
火の国での出来事を、ユノは終始興奮した様子で、
少し大袈裟じゃないかなと思う程、
身振り手振りで話し続ける。
ご馳走なんて正直、さほど珍しくもないだろうに
この陽気さはなにかが吹っ切れたような、そんな感じだ。
「ところでユノ。とても機嫌が良いのはご馳走のせいだけ?他に何か良い事があったんでしょう?」
「あは(笑)、うん。俺にとってはね。ヒニムにとっては迷惑だったかもしれないけど」
「、、、王位?」
「うん。、、、実はさ、」
ユノの話をじっくりと聞き、全ての判断は正しいと思った。
まず、王位継承権を受け入れたことは両陛下にとって、
この上ない安堵だったろうし、
とても物分かりの良いヒニムは、不安定な自分の立場を、
あえて気にしないふりをして自分を守っていただけ。
本当はどんなに悩み、葛藤してきただろうか。
ふたりとも同じ王の血を受け継ぎながら、
その身分はまるで陰と陽。
誰もがタブー視してきたことを、
ユノは真正面から触れ、誰もが納得のいく形を取ったのだ。
「だからさ、俺はまだ当分は下働きでお前よりも低い身分だし、」
「身分なんて関係ないって、最初から言ってるのに」
「結局のところ、どっちの国の者かわからないし、」
「どっちの国の人とも言える貴重な存在でしょ」
「向うでの務めもあるし、毎日一緒に居られるわけでもない」
「世界中どこのパートナーでも、四六時中一緒に居る人なんて居ないよ」
「、、、そっか」
「でしょ」
ユノは豪快だけど、繊細で意外と気にするタイプ。
僕の言葉でようやく納得したらしく、うんうんと頷いていた。
それから話題は、あの宝石を納める儀式の事に。
火の国は炎に捧げたそうだが、我が国では王の間の鏡にという事になる。
タイミングとしては今夜がベストだろう。
なぜなら今夜は満月。
ちょうど月が真上にくる深夜0時に。
「儀式への参加は僕とユノ。そして公爵とミノにも立ち会ってもらう。すぐに報せて準備をさせよう」
その日の夜は早めに夕食を済ませて王の間へ向かい、鏡の前に立った。
王の装束を身につけたのは閉鎖の時以来。
着替えを手伝ってくれるミノは、どうやら緊張しているようだ。
「ミノったら無口で変だね。前は、腕を伸ばせとかボタンぐらい自分で止めろとか小言ばかり言ってたのに。今日はだんまりって」
「んー、、、だってよく考えるとさ、この衣装って人間界だと数億円、、いゃ、数十億、、いゃ、値段とかつけられないくらい高価なんだよ?手も震えるさ」
「はぁ、、、。そんなの余計なことだね。あ、ほら、サッシュつけるの忘れてる。早くつけて」
「ミノも大変だ(笑)、うちの王様は相変わらず、甘えん坊で注文が多い」
「まったくですよ。少しは大人になったかと思ったのに」
「2人してひどい。もぅ良いから早くして!」
時計の針は、間もなく深夜0時を指す。
雲ひとつない夜空に、白く大きな満月が浮かび
公爵とミノが窓を開けると
大鏡が月明かりに照らされて、美しい輝きを放った。
閉鎖を決意した時、
この大鏡を粉々に割って全てを終わりにしようと考えていたのに、
まさかこんな日が来るなんて。
王国の運命を握っていたのは、のちに僕の最愛の人となった、
他ならぬユノ。
そして、そのユノが精を込めて作り上げた宝石を
今、この鏡に捧げる。
「Snowy始まって以来、初めての事。やり方なんて分からないけど、、、見守っててね」
「もちろん。一瞬たりとも目を離さない」
「大丈夫。必ず上手くいく」
「大丈夫。必ず上手くいく」
僕はみんなとアイコンタクトをして、
スゥーっと息を吸い込んだ。
それはあたかも、月のエネルギーを取り込むように。
そして、手にした宝石を、月と鏡が一直線に繋がる光の間に高く掲げた。
鏡は僕の言葉を聞き入れてくれたらしい。
宝石がゆっくりと僕の手を離れて浮かび上がり、
宝石がゆっくりと僕の手を離れて浮かび上がり、
キシキシと音を立てながら凍り始め、
見る見る間に宝石を包み込んで、鏡へ繋がる氷柱を創り上げた。
見る見る間に宝石を包み込んで、鏡へ繋がる氷柱を創り上げた。
「、、、すごいな。生きてるみたいだ」
「けれど、あの宝石に命を吹き込んだのは、作り手であるユノ先生ですよ」
「、、、そうなのかな。俺はただ夢中で創っただけで、」
「恐らくユノ様は無意識にお創りになられたのでしょうけれど、宝石にはしっかりと、生命と意思が宿っています。ユノ様以外には成し得ない技術ですよ」
「ね、、、みんな見て。宝石が、、、」
すっかり氷に包まれた宝石は、その中で光を放ち、
氷柱の中をゆっくりと移動して鏡へと辿り着いて吸収されたようだ。
と同時に、氷柱は役目を終えた様に一瞬にして蒸発し、
宝石はどうやら、鏡と一体化したらしい。
「、、、良かった。これで二つの国の温度差や人々の体温など、全ての環境は快適になっていくはずだよ」
「火の国でも同じような事言ってたな」
「うん。、、、あとはヒニムに立派な"道"を作ってもらって、」
「あ。それな。すっげー派手にするってさ」
「ヒチョル様らしいですね(笑)」
「陰気より良いよ」
「ぶっ(笑)、ヒニムと同じこと言ってる」
そして翌日から僕たちはみんな、
両国統一の日に向けて、多忙を極めた日々だった。
人間界で過ごしていた間にパートナーと出逢い、
こちらに永住したいと願い出た者は約半数。
無条件に許可を出すのは危険な面もあるため、
公爵を初めとした役人たちは彼らの経歴などを調べ、
ミノは王室警備隊の強化に励んでいた。
僕はユノと一緒に何度か陛下の所へ出向き、
互いに条約を交わしたり、書類上どうしても必要な、
膨大な数の手続きを進めた。
そんな中ユノが、頼みたい事があると言って来た。
「頼みたい、、、事?なに、改まって」
「うん。俺、こないだ宝石創ってからまだ体力が戻ってないだろ?だから、お前の力を貸して欲しいんだ」
「僕で良ければお好きなだけ。で、何をすればいい?」
「大使として、どうしても作りたいものがある」
「大使、、、ってことは、友好に関するもの?」
「そう。木を植えたいんだよ。もちろん普通の木じゃなくて、特別な木を」
「特別な木。、、、うん。それ良いね」
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
今回もSnowyに逢いに来てくださり、
ありが㌧ございます


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「ね、、、みんな見て。宝石が、、、」
すっかり氷に包まれた宝石は、その中で光を放ち、
氷柱の中をゆっくりと移動して鏡へと辿り着いて吸収されたようだ。
と同時に、氷柱は役目を終えた様に一瞬にして蒸発し、
宝石はどうやら、鏡と一体化したらしい。
「、、、良かった。これで二つの国の温度差や人々の体温など、全ての環境は快適になっていくはずだよ」
「火の国でも同じような事言ってたな」
「うん。、、、あとはヒニムに立派な"道"を作ってもらって、」
「あ。それな。すっげー派手にするってさ」
「ヒチョル様らしいですね(笑)」
「陰気より良いよ」
「ぶっ(笑)、ヒニムと同じこと言ってる」
そして翌日から僕たちはみんな、
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人間界で過ごしていた間にパートナーと出逢い、
こちらに永住したいと願い出た者は約半数。
無条件に許可を出すのは危険な面もあるため、
公爵を初めとした役人たちは彼らの経歴などを調べ、
ミノは王室警備隊の強化に励んでいた。
僕はユノと一緒に何度か陛下の所へ出向き、
互いに条約を交わしたり、書類上どうしても必要な、
膨大な数の手続きを進めた。
そんな中ユノが、頼みたい事があると言って来た。
「頼みたい、、、事?なに、改まって」
「うん。俺、こないだ宝石創ってからまだ体力が戻ってないだろ?だから、お前の力を貸して欲しいんだ」
「僕で良ければお好きなだけ。で、何をすればいい?」
「大使として、どうしても作りたいものがある」
「大使、、、ってことは、友好に関するもの?」
「そう。木を植えたいんだよ。もちろん普通の木じゃなくて、特別な木を」
「特別な木。、、、うん。それ良いね」
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