Snowy prince・172「Snowy」
両陛下と俺たち4人で話し合いをした日は
王室に最も近く親しい関係者20名程を急きょ招待して
俺とヒニムの地位や、今後についての報告を兼ねた食事会を開いた。
懸念していた通り、一部の人々は「正室の孫」である俺の方が
ヒニムよりも上の立場だと思っていたようだけれど
陛下からの正式な発表によってその予想は覆され、
少々騒めいたものの、満場一致で承認された。
これも全て、これまでのヒニムの功績と
彼の人柄によるものだろう。
安心したせいか俺とヒニムは急に腹が減って
目の前に並べられたご馳走をつい食べ過ぎてしまい
会の終わりには喋る事も出来なくなって
呆れ顔をした女王に小言を言われてしまった。
「、、、食い過ぎた」
「僕も。、、、お腹がブルー状態」
「口から出そうだよ」
ーーーまったく。あなた達ったら困ったわね。お行儀の悪さまで似ているのね(クスクス)
そして翌朝、
夜明けとともに、宝石を炎に収める儀式に参列した。
王の間の奥にひっそりと佇む、
小さいながらも重厚感のある扉を陛下自らが開け、
俺とヒチョル、そして王位の次に爵位の高い、
公爵と伯爵が1名ずつのみが、中に入ることを許された。
真っ先に視界に入って来たのは
部屋の中心にある透明なケース。
その中に、艶やかで美しい炎が揺らめいている。
「なんて、、、なんて美しいんだろう」
「これは、我が国が誕生した時から続く、永遠に消える事のない炎だ。代々王の意志はこの火の中に存在する。お前の宝石はここに納める事とし、もし炎に拒否されれば、」
「されれば?」
「先代の王の反対があったとみなされ、宝石は焼き尽くされてしまう、、、」
「そんな、、、」
「、、、」
「案ずるな。、、、さぁ、先代の王たちよ。全ては両国繁栄の為。あなた方の子孫であるユノが氷の能力を身につけ、命を懸けて作り上げたこの宝石をお納め下さい」
王の手に寄って宝石を中に入れると、
ゴゥッと炎が強まって飲み込まれたかのように見えたが、
宝石はゆっくりと中心に浮き上がり、
まるで宝石を守るように炎が周りを取り囲んだ。
「、、、よし。国の象徴である炎は、両国融合のための宝石を受け入れた。あとは、Snowy王国での儀式を終えれば環境は整い、どちらの国にも事由に行き来出来るようになるだろう」
「そうか、、、、良かった」
「それからヒチョル。お前がするべき大事な事、わかっているな?」
「もちろん。両国を繋ぐ道は、僕にお任せください。お花でいっぱいの道を創るよ」
「それ、すっげー派手じゃない?」
「陰気よりいいでしょ(笑)」
こうして、火の国での儀式は滞りなく執り行われ、
今夜中にSnowyでも儀式をするために、
朝食もとらないうちに、早々に戻る事にした。
ヒチョルときたらまたすぐに逢えるというのに、
俺に抱き着いて離れないので
宥めるのに一苦労したものの、
俺はとても晴れやかな気分で足取りも軽く、
ヒチョルの作ってくれた時空のトンネルを進んだ。
~~~~~
ーーー王様あぁあぁ!シム様!シム様あぁあ!!ユノ様のおかえりですうぅうぅう!!
公務室で書類に目を通していた僕のところに、
大きな声を上げながらホビットが飛び込んできた。
「うわ!なに!!、、、あぁ、驚いた。、、、で、えと、もうユノが戻ってきたの?こんな朝早くに??もっとゆっくりしてくればいいのに」
「お前に早く逢いたかったから朝飯も食わずに戻ってきたのに」
「わっ!そこに居たの!?」
「そんな言い方するならまた向うに戻ろっかなー」
「ち、ち、違うんだよ、そんな意味じゃなくって、あーーとにかく、」
ドアの陰に立って、意地悪そうに微笑むユノをみつけ、
僕は衝動的に駆け寄って抱きついた。
「おかえりなさい」
「ただいま♪」
「どうだった?」
「うん。話したい事いっぱい」
「そう(笑)、ぜーーーんぶ聞かせて」
これはひとまず公務の手を止めて
ゆっくりと話を聴くことにしようか。
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
今回もSnowyに逢いに来てくださり
ありが㌧ございます♪
今日は久しぶりに晴れたけど
めっちゃ湿気!
蒸し暑いわ~~~(;・∀・)
ババぁにはきついよ、、、この湿気。←
おひとつ
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