Snowy prince・171「Snowy」
「その事ですが、、、僕は以前、王位を継ぐ気はないと言いました。なぜなら僕には、その資格がないと思っていたから」
「ユノ!お前何言ってんだよ。お前しか居ないんだ!何度も言ったろ!」
まだ話し始めたばかりだと言うのに
ヒニムは血相を変えて俺の肩に掴みかかり、怒鳴りつけた。
「ごめん、、、もう少し聞いて。もし、、、もしもまだ両陛下が僕を後継者にと望み、国民が全員一致で僕を認めてくれるなら、使命として務めさせて頂きたいと思っています」
「もちろん私達の願いは少しも変わってはいない。、、、だが、それは本心か?本当にそう思っているのか」
「はい。但し、ひとつお願いが」
「言ってみなさい」
「ヒチョル兄さんも僕と同じように、王位継承権第二位の王子として正式に認めて下さい」
「ブッ!!、ゴホゴホッ!!」
この事は誰にも相談せずにいたから
ヒニムはとても驚いて、お茶を吹き出してしまった。
それもそのはず。
ヒニムはずっと、王位なんて興味が無い、今のままが気楽で良いと言っていたのだから。
「さっきから何を言ってんだよ!なんて勝手な事を!」
「駄目だよ、ヒニム。あなたは長い間ずっと両陛下とこの国を守って来た。本来あなたほど適任はいない。そこに俺が図々しく表れて、、」
「黙りなよ!!それ以上言うとぶん殴る。、、、キミの事を図々しいなんて思った事は一度も無い。むしろとても嬉しかった。わかってるだろう?」
「、、、うん、わかってるけど、、、」
「私たちはヒチョルを無碍に扱うつもりはないが、なぜお前と同じ爵位を望むのだね?」
「お話しします」
両陛下を真正面に見据え、胸の内を正直に話した。
俺と両陛下、そしてヒニムがまともに逢ったのは、ほんの数年前。
人間界へ向かう前の数日間を一緒に過ごしただけだ。
俺にとっては初対面だったし、他人同然の距離感だったあの時は、
いくら直系とはいえ次期王の座なんて、虫が良すぎて到底受け入れられなかった。
けれど、Snowy復活の為、我武者羅に活動していくうちに、
何を選択し、何を大切にして何を護るのか、
そして、誰を幸せにしたいのかを何度も考えだけれど
最終的に辿り着く答えはいつも同じだった。
「なるほど。、、、それでその中には、私と妻の事も入っていたのかね」
「もちろんです。僕は正直、始めはチャンミンの為に王国を復活させるという事しか考えていなかった。彼が心から幸せだと思えるようにと、彼の事だけしか、、、」
「そうだろうとも。そうでなければならない」
「でも僕は、唯一の血縁であるあなた方の事も大切にしたいと思うようになった。永い時を経てやっと会えたんだ。これからは精一杯、孝行させて欲しいと。、、、亡くなった母の分まで」
ーーーなんて嬉しいことを、、、こんな日が来るなんて夢のようだわ
「けれどやっぱり僕は、何も知らない新参者。今までずっと"王子"としての役割を果たしてきたのは、事実上ヒチョル氏です」
「その通りだ。彼の存在はなくてはならない」
「では、二王制を認めて下さい」
そこまで話して、ソファーに座っているヒニムに視線をやると
口を尖らせて、なんだか泣きだしそうにも見える複雑な顔をして
上目づかいに俺を睨んでいた。
いつもは賑やかでも冷静を持ち合わせている彼だが
今日は情緒が不安定な様子。
代わって両陛下はどうかというと、
お二人は顔を見合わせて小さく頷き合い
陛下がなにか女王に指示を出したらしく、
机の引き出しから小さな箱を手にしてヒチョルの前に立った。
「、、、なに?」
ーーーあなたに受取ってほしいもの
「、、、嫌な予感しかしない」
「(笑)、そう言わず、あけてごらん」
「怖いから、、、ユノも一緒に見て。ほら、隣に来て」
「はは(笑)、そうだな、それがいい」
「やれやれ、、、。困った兄さんだな」
ヒニムが黒いベルベットの箱を開けたその時、
俺の希望は認められたと確信した。
「私の後を継ぐ者が持つ勲章だ」
「ちょっ、、、ちょっと待ってください!ユノのは?ユノにもあるのでしょう?ありますよね?」
「(笑)、ユノはまず修業が先だ」
「修行って、なんです???」
「しばらくの間ユノには、大使の任を務めてもらう。両国にとってとても重要な役割だ。しっかりやりなさい」
「承知しました。謹んでお受けいたします」
そんなわけで、
俺は翌朝の儀式が終わり次第、
ヒチョルと別れてひとり、Snowy王国へ戻る事にした。
内心、一刻も早く帰ってチャンミンに、
ゆっくりと話しを聞いて欲しい気分。
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
今回もSnowyに会いに来てくださり
ありがとうございます

あと数話で最終回を迎えます。
最後までわたしのスタイルを崩さずに
丁寧に書いていきたいと思っていますので
どうかよろしくお願い致します



久しぶりに、ホミンちゃんアニメ♪
口内炎が痛くてたまらん、、、、
早く治らないカナ~、、、(´・ω・`)
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