「精神科医は腹の底で何を考えているか」
というタイトルの本を読みました。
![]() |
精神科医は腹の底で何を考えているか (幻冬舎新書)
Amazon |
私はこの本を読みながら
「違う違う。私が知りたいのは、私の主治医が腹の底で何を考えているかだ。」と思った。
この本は、精神科医である著者が何を考えているか。そして著者の周囲にいる精神科医が、著者にはどう見えているのかが書かれている。
まぁ、当たり前だよね…。精神科医といってもさまざまだし、人によって違うもの。こんな本でひとまとめに出来るわけがない。
キャッチーなタイトルに惹かれて、本を購入してしまった私の負け。そして、このブログタイトルに惹かれて、今これを読んでいるあなたも、まんまと嵌められています。
でもこの本の中で「あ、これ私のことだ」と思った箇所があった。
自己主張しない患者を、時間がかからず便利な患者と見做す医師
という一文。
それ 、まさに私。もちろん自己主張しない患者の方。
本の中では
そうでもしないと外来の待ち時間が果てしなく延びてしまいかねない
と書かれている。それはそうだろうと気づいていた。
最近は通院日は気が重い。
「また3分話すだけに、小一時間も待つのかぁ…」と。
待つのはまだいい。問題は3分診察の方。
3分診察と言っても、実際は2分30秒だと思う。
たったの2分半なのに、全く上手く話せない。
いつも最初に「あれからどうでしょう?」と聞かれるので、いちおう答えを用意して診察に挑むのだけど、それさえも満足に話せない。以前はもう少し話していたと思うのだが、最近は本当に話せなくなってしまった。
一度、自分でもこの受け答えは酷いと思ったのは
「あれからどうでしょう?」と聞かれ
「んー、えと…、えー、ふつう?普通ですかね?」と答えてしまったこと。
普通って何!?あなた、ここに何しに来たの?もっと他に言いようがあるでしょうよ。と、自己つっこみ。
症状が安定しているから話す事がないのとはちょっと違う。
本当はもっと色々悩んでいるし、自分の状態を詳しく報告したり、こちらから聞きたいこともあるんだけど、言葉が出て来ないんだ。
その分、主治医からうまく聞き出してくれれば助かるんだけど、そうはしてくれない。
この著者のように便利な患者と思われているのか、安定していると思われているのか、はたまた瞬察能力(?)を持っていて何も話さずとも理解できるのか、話せないことも経過のひとつと捉えられているのか、はたまた全く何も考えていないのか。
メンタルヘルス系のブログを読んでいると、けっこうフランクに主治医と会話されている方が多くてうらやましく思った。
自分の待ち時間に観察していると、私のように診察時間が短いのはだいたい10人に1人ぐらいじゃないかと思う。平均は5分くらいかな。長い人で10分。
私もせめて5分くらい話したいなぁ。。。
という訳で、この本の感想ですが、
特に参考になるようなことはなく、逆に落ち込む結果となりました。
便利な患者と見做されていたら嫌だな…。