精神科治療学 Vol.32 No.9 Sep.2017
■特集 双極性障害の薬物治療法のState of the Art1
という雑誌(専門誌)を読みました。
この「精神科治療学」という雑誌は、私が通院している精神科の診察室の本棚にバックナンバーがズラリと並んでいて、どんなことが書かれているんだろうと以前から興味があった。
精神科医が読むぐらいなので、とても難しそうだし値段も高い(¥2,880+税)ので、自分で購入する気はなかったんだけど、たまたま9月号は双極性障害の特集だったので思い切って買ってみた。
最近私はキンドルで本を読む事が多いので、紙媒体は久しぶり。この雑誌を手にとってまず最初の感想は「雑誌にしては作りがいい!」ということ。普通の雑誌とは全然違う。
無線綴じタイプで、表紙は厚手の上質紙にマットPP張りで手触りがいい。中の紙も上質紙が使用されていて、お値段相当の品質の良さを感じたよ。
読む前は難しい内容が書かれているんだろうなー、私で理解できるのかなーと思っていたんだけど、意外と大丈夫でした。日本語が読めて、薬品の一般名の英語表記さえ知っていれば、大体は理解出来ると思う。
たとえば「ラミクタール」は商品名で
一般名は「ラモトリギン」
英語表記だと「Lamotrigine」になる。
今回の特集は、双極性障害の薬物治療がテーマなので、この英語表記の一般名がズラーっと出て来るので、それを知らないと読むのは大変かも。
私は、薬に関しては以前から結構調べて知っていたので、その辺は問題なかったよ。
あとは試験結果やメタ解析の結果の読み方が慣れておらず難しいので、その辺は深読みせずにサラッと流し読み。
内容については著作権があるので、どこまで書いていいのかわからず悩むところ。
読んでいて思ったのは、双極性障害に有効な薬剤の種類はそんなに多くないってこと。カテゴリーに分けて書くと、
<古典的気分安定薬>
・リーマス
・デパケン
・テグレトール
<新規抗てんかん薬>
・ラミクタール
<第二世代抗精神病薬>
・ジプレキサ
・セロクエル
・エビリファイ
(・リスパダール)
他にも新規抗てんかん薬と、第二世代抗精神病薬に可能性のある薬もあるようだけど、割愛。
あとは、抗うつ薬を使うかどうか問題。
この一冊の雑誌の中でも相反することが書かれているので、その辺は私にはわからない。私個人でいうと、抗うつ薬は合わないので飲みたくない。
医師がこの中から患者に合う薬を選んでいく訳だよね。その時の病相や優位極性、認容性などを考慮しながら試してみる。効くかどうかは試してみないとわからない。これがダメだったこれ。これじゃもの足りないから、これを付加みたいな。
エビデンスベースドだとか言ってるけど、結局は精神科医の経験によるチョイスになるんだと思う。
それで治療がうまくいっているのならそれでいいと思う。でももし治療がうまくいっていないのなら、患者側も勉強してこちらから提案するのもいいのかなと思う。実際、私は自分からラミクタールを試したいと言って処方してもらったので。
だけどそういうのを嫌う医師はいそうだよね。でも全然良くなってる実感もなく、こちらからの提案も受け入れないような医師なら、それこそ転院を考えた方がいいかな。相談しながらやっていける先生がいいよね。私はそこまでうまく主治医とやっていけていないけども…。
というわけで、治療が上手くいっていないと感じている人は、この雑誌は読む価値があると思ったよ。