さて、エッセイイストになるべく文学部を目指すことにした私は、とある私大の文学部に新しく文芸専修ができることを知った。
そこでは、文学作品を読んでレポートを書くだけではなく、自分で作品作り、はたまた自分の作品を卒業論文代りに出せるというのだ。
さらに、一般入試以外に、AO入試といって、自己推薦枠もある。
AO入試では、4000文字ほどの小論文に加え、当日の英語、国語、小論文のテスト+面接、に通れば合格できる。
「文章に始まり、文章に終わる」、入試から卒業まで文学に関われる、こんな素晴らしい大学はない!
この大学の文学部文学科文芸専修を第1志望として、高三より小論文対策を始めた。
皆が、普通科目を勉強している傍ら、ひたすら小論文を書き続ける。
「私…これに落ちたら、確実に浪人生だな…。」
もはや一か八かの賭けであった。
結果、見事合格し、夢に見た文学漬けの大学生活を送るに至った。
◇
時は流れ、いよいよ就活の時期に入った。
「いきなりエッセイストなんて、無理だし…、まずは出版社に勤務しよう!!そこで本作りについて学ぶんだ!!!出版社なら
、親も文句は言うまい。」
出版社を第1志望に、地獄の就活が始まる。
リーマンショックと共に…。
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