いつも通り、生徒と気持ちを表わす言葉について学んでいた。
その中に、「動揺する」という言葉があった。
「動揺?」
「心が動き揺れることだよ。気持ちが不安定になったり、落ち着いていられなくなること。」
初めて出会う言葉の意味を、自分自身で体感し、しっかりと理解できるように、いつもちょっとしたドラマタイジングの時間を設けるようにしている。
「『動揺』は、どういうシチュエーションにしようか?」
「じゃあ、私が好きな韓国アイドルに告白されるシーンをやりたいです。」
「お、オッケー…。私が韓国アイドルってわけだね。じゃあ、いくよ!」
「ちょっと待ってください。壁ドンをお願いします。」
注文が細かくないか。
「…わ、分かった。」
早くも、自分が動揺している。
「チャンカンマニョ!!(ちょい、待てよ!キムタク風)チョヌン…タンシヌル サランハゴ イッスムニニダ。(私はきみを愛しています。)」←大学時代第二外国語が韓国語だった。
「え、え…!先生韓国語話せるんですか!びっくりしました!!ってか、日本語にしてください。」
韓国アイドル言うたやん。
彼女は違う意味で動揺し、私はマニアックなリクエストに答えるべく、恥を忍んで演技を見せたのにツッコまれ、かなり動揺していた。
二人して、「動揺」の意味を強く心に刻みつけた瞬間だった。
日本語教師関連記事は、こちら