+尻漏れと私+ | ユリノキ-家族はじめます!-

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家族の笑えるエピソードを奇天烈な文章で綴る、おバカイラストエッセイ!
みんな笑って幸せになりますように!

ビーバースカウトの帰り、喫茶店でお昼ごはんを食べようと車から降りると…

ケツが全面に濡れているのを感じた。

 

〇理か!?

 

時期的なことを考えると、まさかそんなはずはない。

 

息子と夫にケツを確認してもらったところ、やはり〇理ではないらしい。

 

…となると、尿漏れ…!?

 

尿意はさほどなかったのに、何故!?

 

もしかして、無意識のうちに尿漏れするほど、どこかしらの筋肉がゆるんでしまったのか!?

 

産後の骨盤ケアを徹底していなかったばかり、8年後の今、ガタが来てしまったのか!?

 

尿意無しの尿漏れということは、この先オムツが必須の生活になるのか…!?

 

35歳にして、もうオムツなしでは生きてはいけなくなる!?

 

息子よ、すまない。

 

8歳にして、母の下の世話をしなければならない星の元に、生んでしまったらしい。

 

もう『尿漏れと私』というタイトルで自叙伝を出すことに希望を見出すことでしか、生きようとするエネルギーが生まれなくなってしまう。

 

思考は、どんどん尿漏れ疑惑により、スパイラル上に堕ちていく。

 

喫茶店の席につくころには、きのこスパゲッティを頼まなくても、きのこにありつけられそうなほど、ジメジメと湿気にとんだ暗く沈んだ身で、家族を当惑させていた。

 

存在しているだけで自分で蟻地獄を作れそうなほど、沈んでいる。

 

負の感情が谷底に落ちた時、ふと、ある記憶が呼び起された。

 

(そういえば、ビーバースカウトの活動中に、息子の水筒が漏れていたな…。)

 

「ちょっと待ってよ!はるくんの水筒のお茶が座席に浸み込んでたってことない!?」

 

「オレ、パパと見てくる~。」

 

神に祈りながら、待ち望んだ数分後…

 

「やっぱり漏れてたよ、水筒のお茶~。」

よかったあぁぁぁぁ!!!!!

 

ケツが濡れていた原因は、麦茶だったか!

 

単純な性格が故に、地中に深くめり込んでいた心が、天昇していく。

 

今なら昇華する私を、つかめる者などいないだろう。

 

 

 

 

 

                    ―『尿漏れと私』より

 

 

 

 

 

 

 

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