息子と一緒にスーパーマーケットから、車で帰宅した時のこと。
さぁ、駐車するぞ、という時、運転席の右外側から、夫が姿を現わした。
「うわぁ!!!びっくりした・・・!!」
夫の白い顔が、暗闇でさらに白く浮かび上がっていた。
「ちょっと、怖いんですけど・・・!いきなり右横に立ってて危ないし!」
「・・・ずっと、追いかけてたのに・・・ぐすん。」
「どういうこと!?」
「駅から家に向かって歩いていたら、ウチの車見かけたから、ずっと後ろにはりついて、歩いていたのに、気付いてもらえなかった・・・。」
「え・・・!そうだったの!?大袈裟に合図送ってくれれば、家まで乗せてあげたのに!!」
つまり、こういうことになっていたらしい。
(待って・・・。)
(ひどい・・・。)
夜道、人間の後についてくる妖怪、べとべとさんか・・・!
ちなみにべとべとさんは、足音がするのみで、特に何か目立った行動はないらしい。
その点も、夫と類似している。
私たちは夫に取り憑かれていたのだ。
夫はまったく気付かれなかった恨み辛みで、最後は幽霊のようにボーッと立っていたのだった。
夫にまつわるエピソード、まだまだあります