+物の怪(もののけ)の住む実家 ぬりかべ編+ | ユリノキ-家族はじめます!-

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実家には物があふれている。

 

 

押し入れ、クローゼット、食器棚・・・全ての収納スペースはパンパンで、もし上空に家が飛ぶものなら、ありとあらゆる収納スペースが気圧で爆発するだろう。

 

 

収納スペースがあるにも関わらず、母親がさらなる収納グッズを買ってくるものだから、収納グッズが収納され、またその収納グッズを買うというような大惨事となっている。

 

 

収納グッズの陣地取りゲームがいたるところで行われているのだ。

 

 

先日、母親があるものを見せたいといって、パントリーを開けた。

 

 

私がまだ実家に居た頃は、既存のラックや棚にしか物がなかったのだが、今では、ラックや棚の前に物で積み上げたができており、ラックや棚にある物が全くとれなくなっている。

 

物で積み上がった壁は、もはやぬりかべになっており、エネルギーを費やしてまで、奥のものを取ろうという気をなくさせる。

 

物を積み上げすぎると、妖怪化するのだということを物語っているのだ。

 

 

母親は、何とか目的のものを取ろうと、必死になってもがき、奥に侵入するため、自身の頭の上に物を積み上げている。

 

 

一瞬、インドで見かけたスーツケースを2・3個頭の上に乗せていたポーターの姿が頭をよぎった。

 

(引用元:いい旅インド

 

人知を超えた生き物が存在すると驚いたものだが、母親もまた、人知を超えた生き物のようだ。

 

物を溜め、物を体の一部にするその姿。

 

 

もはや物の怪である。

 

 

 

 

 

 

 

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