じいじはしつこい。
私は、父のしつこさには慣れっこなのだが、
息子にとっては恐怖でしかないようだ。
◇
-実家に泊まっていた時のこと・・・
「じいじ、オレ寝るから、じいじはじいじの部屋で寝てね。」
「なんだよぉ~。一緒に寝せろよぉ~。しかたねーなー。」
部屋から出て行ったかと思いきや、
また帰ってくる。
「じいじ!戻ってこないで!」
「へいへ~い。」
そして3秒後、振り返ってくる・・・。
「じいじ・・・! 」
「わかったよーん。」
そしてふすまの隙間から覗いてくる。
「じじい!!!!!」
じいじへの扱いが粗雑になり出す。
「へへへ~。」
それでも、やはり、しつこいじいじは、まだふすまから笑顔をふりまいていた。
「うわあぁぁぁぁぁ!!!」
息子、号泣。
じいじのしつこさが恐怖へと変わったらしい。
自分のしつこさが、孫の涙へ生まれ変わった瞬間、じいじのしつこさは天下一へと歩みを進めるのである。
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