実家の大じぃじが肺を病んで、入院してしまった。
先日、久しぶりに見舞いに行き、大じぃじを見ると、やせ細って人相が変わっていた。
切なさを感じていると、大じぃじが「アイスが食べたい。」と消え入りそうな声で懇願する。
弟がソフトクリームを買ってきた。
一口食べると「まずい・・・。」と言う。
99%残ったので、誰かが残りを食べることになった。
「ねぇ、おじいちゃん、脂肪分が多い系のアイスクリームじゃなくて、氷系のアイスが口当たり良くて良いんじゃないの?」
提案した私は、さっそく院内のコンビニへ行き、ガリガリくんとアイスの実を買ってきた。
先ほどよりも大じいじの食いつきが良かったが、2口食べて「もういらん・・・。」と言う。
97%残った。
「アイスの実は、喉につまって窒息したら大変だからやめとけよ。」
父の提案で、
100%残った。
病室には冷凍庫がないので、母、父きみじ、弟、夫、息子、私でソフトクリーム、ガリガリくん、アイスの実を責任喰いすることになった。
病室内、家族全員でソフトクリーム、アイスの実、ガリガリくんをむしゃぶり尽くす。
時々大じぃじも思い出したようにガリガリくんをしゃぶる。
なんだこの光景は。
本当に見舞いにきたのだろうか。
アイスを食いに来たのか。
「ここは海の家!?」
母の発言で大部屋の病室に、我々家族の下品な笑い声が波のようにうねる。
さあ、アイスも食い終わったことだし、潮干狩り再開しますかといった感じで、皆で病室を後にした。
ごめんよ、大じぃじ。