先日ダーリンが出張へ行ったので、1日悠々自適に実家で過ごすことにした。

「何もしないをしよう。」
ソファベッドでくつろいでいると胎動が激しいので、母に触ってもらう。

「そんなピンポイントで圧力加えたら…。」

ドンドンドン!!
「わあ~~~~!!!」
息子は母の威圧に怯え、その日1番の暴れ馬と化した。

「私仕事行ってくるから、夕飯のあんこう鍋の準備よろしく。たぶん19時前には、きみじが帰ると思うから、あんこうの処理やってくれるよ。」
「わかったーー。」
―バタン
母が出かけた。
完全に自由な時間を手に入れ、母が録りためているTV番組を見たり、雑誌を読んだりしていると…

1時間もしないうちに、父きみじ帰宅。

「わし帰ったぞー。」
まだ17時だぞ!?
仕事は大丈夫なのだろうか。
静寂な時間は破られ、存在だけで音がするきみじと共に、夕食の準備をした。

「ちょっとー!何でブロッコリー洗っている上から、あんこう洗うのさー!汁が滴ってくるでしょうが!」
「まんす(すまんの意)。」
母も弟も帰宅し、久しぶりに家族4人での食事を味わった。

「あんこう美味すぎー。」
「じゃあ、あんた、あん肝食いねぇ。」
◇
食後、息子の「4Dエコービデオ観賞会」が開かれる。

「大画面で楽しんでよ。」
パッ

「スゲー!あっ顔見えて来た!」
「唇厚いな。」
しかし上映後、ものの5分で父きみじと弟が睡魔に襲われる。

父は酒、弟は大学の試験期間による睡眠不足が原因だ。
「あんたら、全然観てないじゃん!!」
「観てるよ…。」
母の制裁が始まる。

「特にあんた!孫が可愛くないわけ!」
「だってさっきから同じ映像じゃん~♪」

「そこに寝そべってるから眠くなんの!座って観な!!」
父きみじは無理やりソファに座らされ、母という座席ベルトでガッチリ固定され続け、つままれたバッタのような顔で4Dエコーを強制観賞させられているのだった。
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