前回の内容は、こちら
父きみじが行く!大学合格への道③
父きみじが行く!大学合格への道④
父きみじが行く!大学合格への道⑤
騒がしいランチを終え、用事があったダーリンと別れ、いよいよ合格発表へと向かう。
最寄り駅に到着してから、母の歩みは遅くなり、私にしがみついてくる。
「ちょっと、歩きづらいんですけど…」
キャンパスに入ると、代わりに父きみじと弟は早歩きになり、合格発表の掲示板へ向かって猛進していく。
近づくにつれ人も増え、猛進父息子を見失う。
「おーい!!まさ(弟)受かった?」
とりあえず、人混みに紛れ、声を張る。
少しずつ視界が開けると、弟の泣き顔が目に映った。
その男泣きは、達成感に満ち溢れていた。
全力でやった者だけに流せる涙を見た気がした。
「お前。すげーよー!」
と、激励に来ている大学生たちが、弟に声をかけている。
隣にちらりと目をやると、父きみじも涙目になっていた。
母も泣いている。
1年間浪人した弟の様子がフラッシュバックされる。
①
「ねぇ~。気分転換に、家カラオケしようよ!」
「わるいけど、勉強あっから。」
本当は、歌うことが大好きな弟なのだ…。
②
受験本番に近づくにつれ、風呂場からお経が聞こえるようになる。
(暗記した重要語句や年号を唱えている。)
③
白髪が増える。
④
予備校帰りは、いつも23時くらいとなり、
晩御飯は、一人。
私の頬にも涙が伝っていた。
目標がどこであれ、何であれ、自分で掲げた目的に向かって、最後まで走りぬけた。
それを最終的に自分で考え、達成した弟が、誇らしい。
4年間、学問に限らず、たくさん青春して欲しい。
知識や学歴に満足せず、旅行したり、バイトしたり、人と関わって、多くのことを実際目で見て感じたことを、自分の財産に、自信にして欲しい。
きみは、この先も大丈夫!
本当に、おめでとう。
父きみじ 「おーい!まさ!まさ(弟の名)!」
「あそこに、毎日新聞来てるぜ!アンケートに答えたら、サンデー毎日に載るらしいから、やっとけー。」
出た!父の愛読書、『サンデー毎日』…!
(詳しくは、父きみじが行く!大学合格への道①
をご覧ください。)
父きみじは、弟の合格が分かった後も、当たり前のように、父きみじなのであった…。
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