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館内に戻ると、糸井重里のキャッチコピー「迷子になろうよ」が、いかにこの世界にマッチしているかが分かる。
―子供が上り下りしたくなるような、古ぼけた感じの狭い螺旋階段。
―四方八方に広がるアンティーク調の部屋
―厳かに光るステンドグラス
トイレさえも美術館のよう
この懐かしく、心に訴えかけてくるものは、何だろう。
スタジオジブリの作業部屋を再現したと思われる、展示スペースをうろうろする。
「原画・文房具・ポスター・家具など、興味を引くものばかりですね。」
「ああ!このなまはげなんて最高ですよ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・ゆりさん?
無造作に作業机に置いてあるなまはげの置物が、ゆる可愛かったのだ。
「ゆりさん、これ、回してみると、アニメ―ションが見えますよ~
一緒に回しませんか」
「へ~~。」
↑あまり興味なし。
「あっこの、短くなった鉛筆の瓶詰、深いな~~~!!」
・・・・・・・・・・・・
「…ゆりさん?」
「はい?」
「そういうの好きね。」
「ええ!!」
・・・・・・・・・・・・
◇
私の奇想天外の感性に呆れられながら、映像展示室「土星座」へ訪れる。
映像展示室「土星座」は、80人ほどが入れる小さな映画館。
ここでしか見ることのできない、ジブリのオリジナル短編アニメーション作品が公開される。
私たちが案内された回は、「ちゅうずもう」という民話のアニメーションだった。

「ちゅうずもう」
むかしむかし山奥に住んでいたジイとバアは、くる日もくる日も山の畑を登ったり下りたりしながら、ぐだぐだにくたびれて暮らしていました
ある晩ジイが外に出ると、どこかへと向かうねずみたちを見かけます。
こっそり後をついていったところ、ねずみたちは集まって相撲をしていました。
自分の家のねずみたちが負けてばかりいるのを知ったジイとバアは、ねずみたちのためにサンマの団子や豆腐の田楽を用意します。
さあ、今度の勝負はどうなるでしょう。
―三鷹の森 ジブリ美術館HPより
「ぷぷぷっ!ぶふぅふふふぶっふー!!」
!?
ダーリンから、空気が抜けている…!?
いや、違う、どうやら爆笑しているようだ。
今、まだ・・・
むかしむかし山奥に住んでいたジイとバアは、くる日もくる日も山の畑を登ったり下りたりしながら、ぐだぐだにくたびれて暮らしていました
のシーンですよね?
何故に?
ダーリンの摩訶不思議な笑いが脳裏に焼き付いたまま、上映終了
「ダーリンさん、何かしょっぱなから、爆笑してましたけど…?あのジイとバアの疲れた感じが面白かったんですか?」
「いや、あの山の斜面、急すぎだろって思ってさ!ぷっふーーーー!!」
そこ!?
そこですか!?
ちゅうずもう、関係ないだろ。
どうやら、二人の感性は、どっこいどっこいのようだ。
はっきょーーーーい!
のこった!!!
あぁ、のこった!!
相撲をとらせたら、共倒れである。
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