すごいこと言ってるなと驚きました
日本維新の会の共同代表である吉村洋文(大阪府知事)が「0歳児投票権」の導入を主張して話題となっています。
思うところを簡単に。
※ とんでもない高さにある徳島県の小便小僧(笑)。
主張の概要
調べてみると、実は従来から維新の会は、政策提言「維新8策」の中で次のように主張しています。
「投票率の低下や人口動態により、特定世代の影響力が顕著に弱まる現行選挙のあり方を聖域なく議論し、子供に投票権を与えて親がその投票を代行する『ドメイン選挙』等の導入を検討します。」 (維新の会のサイトより)
主張の詳細は不明ですが、要するに、現在は選挙権のない0歳から17歳に投票権を与え、子供の分まで親が投票できるようにすべきという主張と思われます。
えっ?
幼児には政治的意思などないので、要するに、親に複数票を与えるのと同じ。
憲法上の要請である投票価値の平等に真っ向から反しています。
もちろん「改憲の上で」と言えば理論的にはあり得ますが、無理なのは見え見えです。
私が驚いたのは2点
あえて無理筋の主張をするのは、政治的アピールが目的と考えられますが、こんな主張がアピールになると考える政治的センス。
2点目は、主張の背景にある倒錯した考え方です
選挙って何でしたっけ?
多数決で国の在り方を決める仕組みが選挙。
若者が投票しない、若者が少なくなってきた…だから若者や子育て世代の考え方を反映するために複数票を認めようって、ツッコミどころが多すぎて目まいがします
どんな人たちを優遇するのかも含めて選挙で決めるのであって、選挙の前から特定集団の優遇を決めているのは自己矛盾もいいところ。
そんなことをするくらいなら、選挙自体をやめたらいいです
少数派だからという理由で票を水増しするのは、多数決で物事を決める選挙の本質とも矛盾しています。
共産党員が少ないからといって共産党の票を水増しするなら選挙の意味がまるでない
ましてや投票権があっても投票しない若者がいるから同世代の票を水増しするなんてメチャクチャ。
創価学会信者みたいな同世代の組織票が倍になるだけでしょう。
投票しない若者の意見が反映されないのは、完全に自己責任
それが選挙というシステムです。
投票の自由には、投票しない自由も含まれています。
産んだ人たちの優遇
「少子高齢化が進む中、子供を産んだ人はエライ!複数票を与えて優遇しよう!」
そんな価値観が見え隠れする「0歳児選挙権」。
しかし、生まれつきの障害や病気・事故で子供を産めない人、不妊治療を受けたけどダメだった人、LGBTなど、色々な人がいます
こういう人たちは選挙に参加する価値が相対的に乏しい人々だと決めつけることになります。
国政は、国防、外交、エネルギー政策、治安など多岐にわたりますが、何でも子供を産んだ人が決めた方が良い結論が出ると本気で考えているんでしょうかね。
ダイバーシティって何でしたっけ?
あ。半裸のダンサーと遊ぶことでしたね、日本の政治家の皆さんにとっては。
この国の政治家は、野党も含めてダイバーシティの意味をまるで理解していないんだなと改めて分かります。
100歩譲って国への貢献を考慮するなら、高額納税者とか人間国宝に複数票を認めず、なぜ産んだ人だけなのか。
さらにややこしい問題も
実際の運用を考えると、更にワケが分かりません。
投票権は人権ですから、認めるのであれば、いかなる子供にも認められるはずです
そうすると、50人と養子縁組した養親は50人分の投票権をゲットするんでしょうか。
悪用する議員・政党が出るでしょう、日本の場合。
ゴキブリみたいに子供をたくさん増やした人もすごいことに。
愛人をたくさん作った大企業の会長とか「俺の子供産めや!」した芸能関係者とか。
そういう連中の意見を本気で優遇するんですかね。
ちょっと正気とは思えない主張です
ツッコミどころ満載ですが、もうやめます
そういえば、維新の会と縁の深い橋本徹さんは、お子さんが7人いらっしゃるそうですね。
維新の会の奇怪な主張への影響を勘ぐってしまいます。