【町田の森の野球ファン・後編 ~桃色行脚'17~】 | 監督のささやき戦術

 先の日曜日に、「プロ野球ファン歓迎!」の触れ込みに誘われて出掛けてきた、町田の緑豊かな公園の中のサッカースタジアムの話の続きをさせて頂く。

 ※前編はこちら

 

 Jリーグ、J2のカテゴリに属するFC町田ゼルビアの本拠地スタジアムである町田市立陸上競技場は、広大な敷地を誇る町田市立野津田公園内の一施設で、その名の通り陸上競技場兼用のスタジアム

 開場は1990年とのことだが、眼前にそびえる6階建ての立派なメインスタンドや照明塔などは、2012年のFC町田ゼルビアのJリーグ昇格に前後して増改築された設備らしく、町田市のHPによると、現在の収容人員数はメインスタンドが2632席、バックスタンドが7990席の合わせて10622名だそうである。

 

 今回の「プロ野球ファン大歓迎」企画でご招待頂いたのは、バックスタンドの自由席エリアであった。その自由席エリアには…

 ご覧の通り、普段はまずいないであろうプロ野球のユニフォームを身にまとった観客の姿があちらこちらにあり、カラフルなスタンドとなっていた。

 

 正面側から撮ったバックスタンドの様子が、ゼルビアHPの「試合レポート」のフォトギャラリーにあったので、ご紹介させて頂く。

 同じ青系ゆえ、違和感なく溶け込むベイスターズファンの皆様と、サッカースタジアムでも変わらぬ強烈な異物感を漂わせる桃色装束が、見事なコントラストとなっているではないか…。

 

 

 NPBにもプロ野球にも共通してあるもののひとつ、チームマスコット。FC町田ゼルビアのマスコットは、「ゼルビー」という名のカワセミ。同じ鳥とは言え、普段見慣れているクラッチやマーくんらと比べると、やたら目つきが鋭い精悍なイケメンバードであった。

 カメラを向けると、なぜかバントの構えを見せてきたそのゼルビーくん。

 筆談コミュニケーション型マスコットだったので聞くことができたのだが、どうやら俊足巧打系の選手が好みゆえのバントの構えであったらしい。

 福地寿樹現スワローズコーチについて熱く筆談で語っていたのだが、公式設定を見てみると、年齢は「永遠の12歳」とある。ずいぶん古い、そしてサッカー関係ないことをよく知っている鳥である。

 

 

 さて、試合である。

 この日のカードはJ2リーグ第41節、FC町田ゼルビアVSレノファ山口の共に2016年にJ2に昇格してきたという同期生の顔合わせ。前節までの順位は町田が15位、山口が21位であった、

 ちなみにこの初代ゲームボーイを思い出させるめちゃくちゃ味のあるスコアボードは、この試合をもって現役引退。来季からは新スコアボードに生まれ変わるそうである。

 

 

 こちらがピッチ上のFC町田ゼルビアの選手たち。

 ブルーとネイビーに、デジタル時計的な独特の背番号フォントのユニフォームである。

 

 対するレノファ山口はこちら。

 黒いデザイナブルなサイドラインが入った、白地のユニフォーム。アウェイゆえ、着用しているのは2ndユニフォームで、チームカラーはというと…

 オレンジ色である。

 幸いにも着用している方を見かけなかったが、この日の「プロ野球ファン大歓迎」企画にジャイアンツの橙魂ユニを着て来てしまったら、凄まじい針の筵観戦となってしまったことであろう…。

 自分の身に置き換えて考えれば、対戦相手が桃色のチームじゃなくて本当に良かった…

 

 

 普段ほとんどご縁のないJリーグの、しかもJ2のカテゴリ。ほとんどの選手を存じ上げない状態での観戦となったのだが、唯一ピッチの外によく知った顔が

 FC町田ゼルビアの指揮を執って通算5シーズン目の、相馬直樹監督

 鹿島アントラーズのDFとして活躍し、日本代表が初出場を果たした1998年のフランスW杯でも、全3試合に出場した名プレイヤー。あの頃はわりとサッカーを見ていたので、よくよく存じ上げている。

 

 さらによくよく存じ上げている野球界隈の方を、メインスタンドで発見。

 現役時代と変わらぬトレードマークのゴーグルにヒゲの、小宮山悟さん

 柏市出身で熱心な柏レイソルファンとして知られ、現役引退後はJリーグの理事も務めている小宮山さん。思わぬところでの再会となった。

 

 

 一進一退の攻防となったこの試合。

 90分中、およそ87分はスタンドから観戦していたのだが、「ハーフタイムで混む前にトイレ行っとこ…」という不埒な考えで席を立ったその空白の3分間の間に、レノファ山口が先制…

 結局その1点が決勝点となり、0-1でFC町田ゼルビア敗れる。つまり、ゴールシーンを一度も見ることなく終わった、桃色野郎のJリーグ観戦となったのだった…。

 

 

 この試合の来場者数。

 入場者5478名中、この「プロ野球ファン大歓迎」企画での来場者は306名だったとのこと。全来場者数の5.5%がプロ野球ファンだった、ということになるわけだ。

 

 些末なことかもしれないが、個人的に少々気になったのは…

 ※FC町田ゼルビア後援会さんのHPより拝借

 全12球団のファンが集まった今回の企画で、最も少なかったのが我がご贔屓イーグルスファンであったということ…。まさか親会社のからみで、皆ヴィッセル神戸またはFCバルセロナのサポーターなのだろうか…?

 在京犬鷲ファンの皆様、来年もこの企画があったら、ぜひ町田市立陸上競技場をクリムゾンレッドで染めてやろうではないか!

 

 

 競技の枠を超えた集客企画のおかげで実現した、今回のJリーグ観戦。緑豊かな公園の中のスタジアムは気持ちが良かったし、スタジアムグルメも非常に豊富で、スタッフやサポーターの皆様も皆親切で、マスコットの鳥も野球好きと知れた。この場をお借りして、クラブと後援会の皆様に、厚く御礼申し上げたいと思う。

 仙台出身なもので、個人的にはゆるくベガルタ仙台を応援しているのだが、FC町田ゼルビアを「東京の応援チーム」として見守りつつ、また機会があったらスタジアムに足を運びたいと思う。

 

 

 振り返ってみれば、NACK5スタジアムとこの町田市立陸上競技場で、謎にシーズン中二度もサッカー観戦に足を運んだ今季の桃色行脚。野球があるのに他スポーツ、とはさすがにならないが、今後もオフの無聊の慰みに、機会があったら他のプロリーグなどにも足を運んでみたいと目論んでいる当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。