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ことの葉だより

 日々の暮らしの中で出会った素敵な人を紹介したり、美しいことばや優しいことば、感動した出来事などをシェアできたらいいなと思っています。みんなで一緒に幸せになりましょう!

アルバムが1冊戻ってきました。


4月29日、叔父の家に行ったら、「留守の時に誰かが置いて行った」と赤い表紙のアルバムを渡されました。

海水で、写真はあちこちくっついていたけれど、
私の小さい頃の写真や母の若い頃の写真、
弟やいとこ達の赤ん坊の時の写真、
おばあちゃんと早くに亡くなった父の写真もありました。


テレビで見た写真ボランティアの方達のまねをして、アルバムごと水に浸けて剥がれるのを待ちながら、1枚1枚洗って干しました。
ダメになった写真もあるけれど、
写真を見ながら、その時の様子が思い出されたりして
「戻ってきてくれてありがとう」って思いました。

届けてくださった方に心から心から感謝です。

先週は月曜日と金曜日に大船渡に行って来た。


初めて、陸前高田市の小友町を通った。

道路が下り坂にさしかかった時、

眼前に広がる光景に胸がつぶれた。

見える限り津波の爪痕・・・ここは両方から波が入ったに違いない。


小友小学校の1階もめちゃくちゃだった。


校庭の桜が美しかった。

母の元気が無い。

具合が悪いのかと思い聞いてみと、

「家に帰りたい。

家が無いのにおかしいね。

子どもみたいだ」と言う。


母は、大船渡で独り暮らしをしていた。

家は流失して何も無い。

かろうじて土台が残っているだけ。

隣近所も同じように何も無い状態だ。


近所の方のおかげで命だけは助かった。

命があるだけで良しとしなければならない。


行政区1班・2班で残った家は1軒だけ。

その家も外見はそれほど損傷しているようには見えないが、

床下の通気口から水が入り、畳が浮いたという。

その畳を干す暇もないので

濡れた畳の上にブルーシートを敷いて寝ているとのこと。


自分の家がどこにあったのかさえ分からないような故郷の状況。

毎日この惨状を見なければならない人たちの心を思う。


今朝のNHKあさイチで、専門家の方が

人には

 ふるさと

 人

 仕事

 家族

のつながりが必要だと語っておられた。


この大切なつながりを絶たれてしまった・・・



故郷の人々がここから立ち上がるには

人とのつながりを回復する必要があります。

多くの時間がかかります。

どうぞ、永くお心を寄せてください。

「あなたは一人ではない」と伝え続けてください。

お願いします。



やさしさを結集しよう▼被災地への激励メッセージを募集します。岩手日報社「声・大震災」に寄せてください。あて先は、盛岡市内丸3の7(〒020-8622)。eメール「ronsetsu@iwate-np.co.jp」。ファクスは019・653・7457。

3月15日付け「岩手日報<風土計>」より


忘れられていない、誰かが自分を心にかけてくれていると知ることで生きる力が湧いてきます。どうぞお力を貸してください。