前回、アニメ「スペース・コブラ」の物語の冒頭が、映画「トータル・リコール」に似ているという話をしましたが、これに関連して、もう一つ。

安部公房の短編小説に「R62号の発明」という作品があります。

読んだのは、随分と昔の話ですが、なかなか、面白かったのを、覚えている。

 

 

内容を、ネットで、おさらい。

 

失業をした主人公の男性は、川に身を投げ、自殺をしようとしていたところ、学生に、声をかけられる。

「死ぬのなら、その身体を、売ってくれないか」

と、学生は、言う。

男性は、それを承諾し、ある場所に移動。

 

男性は、その場所で、「R62号」というロボットに改造される。

そして、R62号は、「国際Rクラブ」の第一回大会で、お披露目される。

「人間の役割は、機械の、良きしもべとなることである」

という目標の元、開発をされたのが、このR62号だった。

 

R62号は、ある会社に、派遣される。

それは、R62号が、人間だった時に、首になった会社。

 

R62号は、その会社で、ある工作機械を発明。

その工作機械を作動させるスイッチを押すと、社長は、その機械に巻き込まれた。

そして、社長は、その機械に、斬殺されることになる。

 

と、言う物語。

 

なかなか、衝撃的な物語なのですが、この主人公の男性が、ロボットに改造されるシーン。

昔、読んでいて、あの映画「ロボコップ」で、主人公の警察官「マーフィー」が、ロボコップに改造されるシーンに、よく似ているなと思ったんですよね。

改造されている本人の意識が、自分を改造している周囲の人たちを見ている感じ。

もちろん、それも、偶然の一致でしょう。

 

さて、この「R62号の発明」を読んだ時から、漠然と、思っていることがあります。

それは、倫理とか、道徳とか、人間的な感情とかを、完全に、無視をした話だということは、承知の上でのこと。

 

主人公の男性は、自殺をしようとしていた。

そして、「死ぬのなら、身体を売ってくれ」と学生に言われて、男性は、身体を売ることになる。

 

日本では、毎年、2万人くらいの人が、自殺によって、命を断っている。

どうせなら、その身体を、有効活用をすることは出来ないものか。

 

例えば、臓器移植。

世の中には、臓器移植を待っている人が、かなり、多く、存在しているという話。

多額の費用や、法律の問題もあるでしょうが、やはり、臓器提供をする人が、少ないというのも、大きな問題なのではないでしょうか。

そのため、海外では、臓器売買なども、行われているという話。

ならば、どうせ、自殺をするのなら、その臓器を、無償で、提供すれば良いのではないか。

 

例えば、自殺の意志のある人が、病院に行き、臓器提供の意思を伝え、万事、準備を整えた後で、安楽死。

そして、臓器を摘出し、移植をする。

といった、手はずを、整えられないものか。

 

もっとも、こういう話もまた、SFの世界でしょう。

現実世界では、とても、無理な話です。