『千石屋お奈津犬連れ日帖』。 | 言の葉

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日々のささやかな出来事。

『千石屋お奈津犬連れ日帖』
五十嵐ひろみ PHP研究所
2012.03.05発行

日本橋本石町の米問屋『千石屋』の一人娘・お奈津。
結婚相手が急死してしまった心の傷も癒えてきて、愛犬である大型犬・綺羅々と町に出歩けるようになった。
ある日、一緒に習い事の師匠の家に行っているお里が、お奈津と別れた後に居なくなったと知り、綺羅々に探させると一軒の屋敷の庭から、お奈津とお揃いで買った柘植の櫛をくわえて出てきた。
しかもその家からヤクザ風の男が現れ、襲われそうになるが、危ない所を有馬龍之助という侍に助けられるのだが(『雪涅槃』)。

綺羅々と手代の清次と、両国の花火見物に来たお奈津。
その混雑の最中、金貸しの源三が刺され、下手人の飾り職・梅吉を綺羅々と清次が取り押さえる。
梅吉は源三から金を借りた末の犯行だったらしいのだが、源三から金を借りた者の中には、首を吊って死んだものもいるらしい。
しかし、源三に金を借りた者の中には、並の利子で金を貸して貰った者もいた。
源三の二面性の理由を、お奈津達が調べて行く『月のしずく』。

十五夜の日、店から消えた団子の包みを、父の嘉兵衛が知らない女性に持って行ったのを見た、お奈津。
父の浮気相手かと気を揉むお奈津だったが、直接聞くことも出来ない。
おまけにお奈津叔父の店に間借りしている龍之助の所にも、どこかの旗本の女中が龍之助を窺いに来て、お奈津は不機嫌になる『萩の女』。

年末になり煤払いで倉の片付けを任された、お奈津。
埃を払っている内に、桐箱の中から現れた、文箱の手紙を読んでしまう。その手紙は祖母の妙宛の恋文だった。
お奈津は手紙の差出人である『定輔』という人物を捜そうと決める、『恋文』。


さらり読める軽い時代劇。
龍之助が気になっているのに、お奈津本人は暫く無自覚だったり。
一人娘だから、いつか婿を貰わなければならないのだけど、婚約者に死なれて1年位なので、両親もお奈津をまだそっとしておいている感じ。
龍之助は三男だから、実は結構ポイント高いのである。あと手代の清次とかね。

続編があれば、話が進むのかも。