2012年3月18日
毎日新聞 2012/3/17版に「AIJ損失:厚生年金保険料で補填 政府・民主検討
」の記事があった。
AIJ投資顧問の年金消失問題を受け、政府・民主党は16日、厚生年金基金の公的年金部分の積み立て不足について、厚生年金加入者全体の保険料で補填(ほてん)する検討に入った。
同社に委託している同基金は一つを除き、中小の同業者らでつくる「総合型」。加入企業の連鎖倒産が懸念され、救済措置が必要と判断した。
前提として基金側の自助努力を求めるほか、救済対象範囲を慎重に検討する意向だが、当該基金とは無関係のサラリーマンらの反発は必至で、導入が難航することも予想される。
~毎日新聞 2012年3月17日版より~
『ちょっとまった!』
と考えるのは私だけではないでしょう。
なぜ、基金の運用先の損失を我々が支払わなければならないのか?
別の年金基金に入っていたり、基金に入っていない人までが損失の肩代わりをさせられるのでは、とても納得できるものではありません。
日経新聞(2012年3月17日版)によると、多くの年金基金の理事には、旧社会保険庁のOBの天下り先となっていたため、その人たちの大半は資金の運用経験が無いという。
基金損失の責任を取るべき人は、直接には基金の運用責任者であり、その運用責任者に運用経験の無い厚労省の天下りOBを迎えた基金の経営陣であろう。
今回のAIJ損失問題の遠因となったのは、バブル期に遡る。
当時の金利は7%~8%あり、厚生年金の想定利回りの5.5%を超えていた。
そのため、政府は企業へのアメとして厚生年金の代行部分まで運用させ、その運用益で利益を稼ぎ、企業年金を上乗せする方法として厚生年金基金を誕生させた。
しかし、バブルが崩壊し、株価が低迷、金利が大幅に下がると、このシステムは逆回転を起こし、積立金はおろか、代行部分にまで穴をあける事態となった。
大手企業はこの事態に代行部分を国に返上し、リスク回避を図った。しかし、中小規模の基金は資金不足のためにこの代行部分を返すことができなかった。返すためには、不足分を一括返済せねばならなかったからである。
そこで、中小の厚生基金は、リスクの高い投資で運用せざるを得なくなった。
これではまるで、大王製紙のラスベガス事件と同じ構図ではないか。
博打の負けを博打で取り返そうとする行為に他ならない。
AIJ投資顧問の問題が発覚したとき、これは氷山の一角で、同様のケースが今後も出てくると考えていたが、
これ以上事態はひどくならないように祈るばかりである。