月の話の続きです。
母親のことが好きでも、嫌いでも、関係が良好でも、悪くても、事実として間違いようがないのは、その母親を母体として、私たちは生まれてきたということです。
母体の中で、月の満ち欠けを繰り返しながら、胎児は育まれます。約9か月弱、新月と満月が繰り返されるあいだに胎児は成長し、産み落とされます。
月はグレート・マザーを象徴し、母なる自然そのものとのつながりを表しますが、最初に私たち個人が経験する母体としての環境が、母親です。
妊娠出産時の母親の心境・環境そのものの記憶が、私たちの月に刻まれます。
しかし、私たちが記憶を思い出せるようになるのは2〜3歳以降ですから、この時期に母親がどんな心境にあったのか、計り知れません。
それが月の複雑さと関係しているでしょう。
人は自分がくつろいでいる時に自然と醸し出している雰囲気を自覚することが難しいと思いますが、それは月からやってきています。
母親との関係が穏やかで愛に満ちたものであれば、そのような雰囲気を醸し出すし、冷たく距離があったのであれば、おのずとそのような態度になります。
距離が近くなったり、遠かったりと、不安定だった場合は、一緒にいる人を無自覚のうちに、そのように振り回すでしょう。
これは、それほど親しくない時はわかりにくく、関係が親密になると見えてくるものです。
依存したり、避けたり、コントロールしたり、振り回したり、世話を焼いたり。
しかも、月は必ずそのパターンを反転させることがあるのが厄介です。
いつも優しくて世話焼きの蟹座の月が、何もかもボイコットして、世界を拒絶し、1人の世界に閉じこもったりですね。
いつも1人で自分のペースでやっていて他者を近づけない雰囲気のある山羊座の月が、急にあれこれ指図して、完璧な保護のエネルギーを見せたりですね。
いつも明るくグループを盛り上げる獅子座の月が、1人で孤独に閉じて、暗く沈み込んだりですね。
言葉でとらえることの難しい、複雑な月の世界に気づくには、感情の反応をみるのが一番わかりやすいかもしれません。