金星の逆行は終わったものの、まだ現在、魚座で土星とぴったり重なっていて、さらに天秤座の満月の影響もあってか、対人関係で心が揺れ動いている人が非常に多い印象があります。
傷ついたり、傷つけられたり。これまで我慢していた思いがあふれてきたり。もうこれ以上、傷つきたくなくて、相手との関係そのものを反射的に遮断したくなったり。
対人関係って、本当にむずかしいですよね。
「この世のあらゆる悩みは、結局は対人関係から生じている」――私はいつもそう感じています。
仕事の悩みも、お金の悩みも「他者とどう関わるか」という点で、対人関係とつながっています。健康の問題だって、多くの原因がストレス――つまり人間関係の影響だったりしますよね。
今年の春分図おぼえてますか? 上昇宮が天秤座で、7ハウスがステリウムでした。ここにも「対人関係が重要な1年だぞ」と記されていました。
海王星が牡羊座に入り、まもなく土星もそれに続くこの時代。対になる天秤座――つまり「対人関係」はますます重要なテーマになるでしょう。
牡羊座のエネルギーだけが暴走したら、戦争になってしまいます。
個々の主張と個性をいかに調和させるのかは、天秤座の手腕にかかっているわけです。
異なる個人がいかに調和しながら、共に社会を作るのか――多様性の時代。それが風の時代の本質ですよね。
でもそれは「風=各自が自由に好きなことをやる」ではありません。
風の星座は「ヒューマン・サイン」であり、“人間の知性”の象徴。
動物は本能で動き、敵対するものを定めて、弱肉強食を繰り広げます。しかし人間はその本能を抑えて、異なる個体の異なる個性や価値観を知性を通して理解し、その理解をもとに共存の道を模索していくことができます。
もし、風の知性の働きなくして、牡羊座や、魚座の土星が強調されると「もうイヤ、もうムリ!」と、パッと関係を切りたくなる衝動が湧くのも自然なことでしょう。牡羊座が短気さを、土星が感情的な拒絶反応を起こさせます。
しかし、そうやって簡単なやり方で自分を守るのではなく「どうした? 何がそんなに苦しいの?」と、自分の心に尋ねて、知性を通して理解すること――それが大事なカギですね。
かなしかったこと。つらかったこと。みじめだった気持ち。
その感情を知覚して、寄り添ってあげることが、魚座の土星の本質です。そしてその痛みに飛び込む勇気を、牡羊座が発揮させてくれるでしょう。