NETFLIXで配信中の「地面師たち」がキャストも良くて、監督が大根仁だし、面白そうだな~と思っていたのですが、私はネトフリに入っていないので、原作小説を読んでみました。
……すごく面白かったです(笑)
これは映像化したら面白いはずですね。いわゆるピカレスク小説に分類されると思うのですが、地面師たちのミーティングや、売主となるキャストにセリフを練習させるシーン、主人公がどうして地面師になるに至ったのかという背景などが、とてもわかりやすく「ドラマ的に」描かれています。
「自分が犯罪に関わることなどできるはずもないけれど、犯罪者の心理や手口を知りたい(興味本位で)」という欲求を満たしてくれます。これは蠍座的な欲求といえますね。
詐欺は水星の象徴です。
私は個人的に詐欺師のホロスコープに興味があって、事件が報道されるとひそかに調べたりするのですが、詐欺師やスリ、泥棒は水星と関係しますね。頭の回転が速く、機転が利かないとできない犯罪です。
これが、この小説のような大掛かりかつ集団戦になると、リーダーは天王星的な天才性が求められるでしょう。全体を把握して、シナリオメイクし、適材適所の人材を配置して、それぞれの強みと弱みを握り、うまく組織を動かしながら、何かの欠陥が見つかった途端に、冷淡に切り捨てて、補完する。
天王星は水星たちをまとめる中央コントロールセンターとして機能しますが、この物語の中でも、チームをまとめるリーダーは、非常に頭脳明晰。クセ者ぞろいのチームを統率しつつも、情け容赦のない冷徹さと、弩級のサディスティックな性癖を持ったキャラクターとして描かれておりました。
作者のキャラクター・メイキングがうまいんですね。
作者ご本人もなかなか異色の経歴の持ち主で、少年院あがり→二浪で慶応大学入学→リクルートに入社も1年半で退職→ヒモ生活→作家という流れで、地面師チームの一員になってもおかしくないような、強面のクレバーな方でした(笑)
ということで、作者の新庄耕さんのホロスコープです。
天秤座の太陽が海王星とスクエアで、作家にはぴったりですね。作家以外だったらアーティストとかモデルとか水商売とか…海王星には虚業が似合います。メディアとの相性はばっちりです。
海王星は、人と虚空とのつながりを思い出させる惑星です。それゆえに、虚空からあらゆるものを創造して、ひとつの世界観を魅せることはお手のもの。アーティストの星となるゆえんです。
詐欺は水星といいましたが、口のうまさや機転は水星のものですが「相手に虚像の世界を信じさせる」ためには海王星も欠かせませんね。なので水商売にも良いのです。「キツネにつままれる」というのが、海王星世界といえるでしょう。
牡牛座の月と土星・冥王星の180度は、激しい欲望と、その欲望の実現のために徹底的に非道にもなれるような激しさが隠されています。ピカレスクを描く才能でもありますね。
獅子座の金星と火星の合が、海王星、冥王星と小三角を創り出しますが、ピカイチの演出能力はやっぱり、獅子座ではないでしょうか。どこまでやるのが面白いのか、エンタメとしての極限を演出しつつ、天秤座の太陽でそのギリギリのバランスを探るように思えます。
新庄耕さんの他の作品も読んでみたくなりました。とりあえず、地面師たちの続編を読んでみようかな~。