大晦日は山羊座の新月でしたが、私はまさに山羊座的な年末年始を過ごしております。
みなさんは「山羊座」と聴くと、パッと何を思い浮かべるでしょうか?
クールで仕事ができるキレ者? 合理的でテキパキと判断して動く現実主義者? 慎重で保守的だけど、確実かつ継続的に責任を果たしてくれる信頼感?
これらはいずれも山羊座の特徴ですが、これらも含めて「母親」というキーワードが、山羊座の中枢にあります。
母親というと蟹座じゃないの?と思う方もいるでしょう。一応分類としては、伝統的には蟹座が、心理占星学的には山羊座が、それぞれ母親と関連するとされています。
山羊座を支配する土星には「分離」の特性があります。土星は、硬い殻で内にある柔らかいものを守り育むことで責任を果たし、それがある一定にまで育ったら、分離することで次のステージへと送り出す役割を果たすのです。
これは自然のサイクルに含まれる、誕生、成長、成熟、衰退、消滅の働きでもありますね。土星は時間の経過と共に、これを促進させるでしょう。
人間の成長サイクルでいうなら、赤ちゃんを出産するとき、子どもを保育園に預けるとき、子どもがひとりで通学したり、遠出したりするとき、そして子どもが成人して自立するとき。
その時々の成熟に達するまで、母親は守り育て、そして時が来たら切り離します。すべての自然のプロセス下にあるものは、切り離されなければならないのですね。出産が遅れるのは生死の危険を伴います。癒着は自然にとって、危機的な状況を招きかねません。
しかし分離のプロセスには、つながっていたものを切り離す、寂しさや痛みがあるでしょう。切り離された側の子どももまた、ひとりで寂しさや孤独に耐えて、自身の頼りない力だけを武器にやっていく必要があります。
土星は厳しく、そしてその分離の中心には、いつも柔らかい愛の痛みが含まれています。
家族の誕生と、成長の喜び。自立と旅立ち。別れの悲しみ。
成人した子どもはやがて、親と同じプロセスを体験し、今度は逆の立場から親が社会から離脱していく過程を見守ることになるでしょう。
親が仕事をリタイアして、これまでしていたことができなくなっていき、少しずつ心身が繊細に静かになっていくプロセス。
かつては親に自立をうながされたように、今度は子が親のプロセスを助けて、静かに静かに閉じていく過程を見守ることになるのです。
親が少しずつ繊細になっていくことと、子どもが自立して羽ばたいていくことを、同時に感じるお正月でした。内からあふれる寂しさの中心に、消えない灯のように宿る愛を感じながら過ごしています。