伊坂幸太郎さんのホロスコープ | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

伊坂幸太郎さんの『逆ソクラテス』を読了しました。ここ最近、長編を読むことが多かったので「ちょっと短編を読もう」と手に取ったら、面白くてあっという間に読了。

 

5本の短編は、いずれも主人公が小学生。彼らの担任教師も登場します。これは占星術でいうところの水星(生徒)と木星(教師)の関係に相当しますね。


子どもたち、同級生、初等教育は双子座-3ハウスの象徴。一方で与えられる教育や指導の方針や、社会的道徳は射手座-9ハウスの象徴です。

 

5~15歳頃の水星期に受ける教育によって、知識の蓄積のみならず、考え方や価値観、道徳観念、周辺の人たちとの関わり方といった思考の基盤が構築されます。ゆえに、この時期にどんな指導者と出会うのか、非常に重要ですね。

 

本編の中で語られており、特に興味を引いたことのひとつに「教師期待効果(ローゼンタール効果)」なるものがあります。
 

先生が「この子はできる。将来有望だ」と期待をかけると、実際にそのようになっていき「こいつはダメだ。落ちこぼれるに違いない」と否定的に見ていると、こちらもそのようになっていく、というもの。後者はゴーレム効果と呼ぶそうです。

 

そのため、教師が凝り固まった先入観を持って見ていると、子どもたちもその見方が正しいと思いこみ、信じてしまいます。
 

それをズバリと見破るキラ星のように聡明な子どもが出現して「教師の先入観を覆そう」というのが本書のコンセプト。

 

双子座の双子は、ギリシャ神話のカストルとポルックスですが、このふたりは優等生と暴れん坊。真面目に「先生の言うことを聴かなくちゃ」というのが人間の子カストルで「一泡吹かせてやろうぜ」というのが神の子ポルックス。
 

本書ではいずれのストーリーにおいても、そのような対比としての、ごく真面目で一般的な少年と、いたずら心に満ちて、大人の裏をかこうとする、先入観にとらわれない賢い少年とが登場します。

 

双子座の双子が正反対の性格でいながら、仲良しであるように、こちらの短編でも少年たちが「あーだこーだ」と喋くりながら、結託する姿が描かれます。読んでいて、非常にノスタルジーを刺激されますね(笑)

 

作家の伊坂幸太郎さんは当然(!?)双子座。

 

 

太陽の対面には教師の木星が射手座の定位置で、どーんと控えております。この物語の登場人物の対比が、すでにチャートに現れているわけですね。
 

小学生が主人公の物語を書くのは非常に難しい…とインタビューでおっしゃっていましたが、なんのその、魅力的な子どもたちや、一癖も二癖もある教師たちを多彩に描き出すことは、すでにチャートに記されているわけですね。

 

風のグランドトラインが、いつも見事に伏線を回収するような物語の構成を創り出すのでしょう。

 

風の星座が際立つ方の書く物語は、複雑な心理や情景の描写が、わかりやすく、かつ美しく煌めきに満ちた文体で、すらすらと読み進めることができるんですよね。

 

ジャーナリスト、作家、教師、翻訳者といった、言語能力を扱う分野において、双子座はピカイチの才能を発揮します。

 

牡牛座の金星と水星の合がユニークで愛すべき数々のキャラクターを生み出し、射手座の木星と海王星の合は、次々と精力的に物語を紡ぎ続けるバイタリティをもたらすのでしょう。