土星の続きです。
「時間を賢く使う」というのが土星のレッスンだと書きましたが、土星のむずかしさは、苦しいときにやってきます。
いくら頑張っても、この世界ではいつも努力が実るとは限りません。頑張っても失敗したり、外敵な要因で努力が無に帰すこともあるでしょう。
山に登って頂上をめざそうとしっかりと準備して挑んだとしても、足をくじいたり、体調が崩れたりすることがあるかもしれません。大雨が降り出したり、大岩に道を塞がれていたりして、断念せざるを得ないこともあるでしょう。
しかし、そこへ賭けていた意気込みや時間や努力が大きければ大きいほど、達成できなかった落胆は大きく、つらく、しんどいものです。
この山登りに相当するものは、たくさんありますよね。学業や仕事、営業活動、告白、コミュニケーションなど、目標に向かうために頑張って努力したにも関わらず、望んだ結果が得られなかったとき、心が傷つき、感情が揺れるでしょう。
そのとき、土星がやってきて、この傷つきから、自分を守ろうとします。
土星はこれ以上、傷つかないようにしたいので「もう山登りはやめよう」あるいは「もっと手軽に登れる山だけにしよう」というかもしれません。
あるいは逆に「もっとハードにトレーニングを積んで臨もう」「何が起きても良いように、もっと装備を厳重にして挑もう」とすることもあるでしょう。
どちらにしても、土星は過保護に自分を守ろうとするわけですね。傷ついた心を埋め合わせて、もう二度と失敗しように対策を練るのです。
仕事で失敗してしまった。責任を引き受けなければ、もう傷つかないかもしれません。あるいは、もっと自分に厳しくすれば、失敗を防げることになるだろう、ということです。
どちらにしても、ずっと過去の傷に囚われることになりますね。
傷は痛くても、私たちの心と身体には自己治癒力が備わっています。痛くても、その痛みに嘆きながら、悲しみながら過ごすことで、時間の経過と共に痛みは和らぎ、また元のように戻るでしょう。
そのときにまた新しく始めることができます。
土星が過保護に働くことで、心は守られるけれど、同時に自立する力を失うか、緊張が解けなくなるかの、いずれかに傾くかもしれません。これが土星のむずかしさですね。
ある程度の時間が経過したときあとで、土星の過保護から離れることが必要でしょう。
個人の土星のある星座やハウスは、自分の痛みや緊張と向き合う必要があるものを示しているかもしれません。それは簡単なことではありませんが、思いきって時間をかけて向き合うことで、古いエネルギーが解放されて、そこからまた新しく始める力を手に入れることができるでしょう。