2023年11月13日18:29に蠍座の新月です
11月4日に順行に戻った魚座の土星が天頂から牽引する、なかなかハードボイルドな雰囲気の漂う新月図。
順行に戻った土星がハッと我に返ったかのように「あれ、ぼやぼやしてる場合じゃないぞ。ちゃんと現実と向き合わねば」と、お尻を叩いてくるかもしれません。
というのも、新月となる太陽・月に火星と水星までまとめて6ハウスにあり、その向かいに天王星、トラインに海王星、スクエアに土星、セクスタイルに冥王星と、要は怖い世代天体たちが「ほらほら、本気出しなさいよ!」とグイグイと迫ってくるような感じがあるのですね。
6ハウスというのは『変容せよ』というテーマを持つハウスです。
ん?変容って蠍座とか冥王星のキーワードじゃないの?と思った方は、そちらもそうです。
違いはといいますと、蠍座や冥王星は現実を生き抜くために、自身の内側で眠っていた底力を発揮したり、まったく異なる生き方へと変貌する変容ですね。芋虫が蝶へと脱皮するように、ガラッとみずからの生態が進化する感じ。
そこには葛藤や生まれ変わりの苦しみなどが伴いますが、超えた暁には、まったく新しい展開がひらけます。
蠍座の新月ですから、すべての人がとはいいませんが、このような変容の意味合いもありますね。
それに対して6ハウスは地の乙女座と水星の部屋ですから、もっと軽くて柔軟で現実的な変化です。
「今日からコロナ対策してください」と言われたら、速やかにパーテーション置いて、マスクつけて対応するような。「今日からは多くの人を迎えて下さいね」と言われたら、さっさとパーテーションを外して、どんどん奥まで人を詰め込んでいくような。
つまり外の世界で起きている変化に応じて、パッと切り替える軽快な変化です。
こういうとき、さっさとやる人といつまでもグズグズしてやらない人とに分かれますよね?
6ハウスは労働と奉仕を旨とする部屋ですから、文句言わずにさっさと対応できる人が賢く有能だといわれます。
そこには個人の好き嫌いや意志は不要なのです。
さっさと最も効率が上がるようにやる。大勢の人間や、大きなイベントを取り仕切る仕事には、この質が欠かせません。
2025年頃から労働者人口がズンズンと減っていくことは前からわかっていましたが、すでに各地でそのほころびが出始めていることがニュース等でやっていますね。
現在の形を維持することがむずかしい企業や自治体が多くあるでしょう。
時代が変わり、社会の価値観が変わり、技術の台頭が著しく、しかし人材が減っていくというとき、今の最適解はなんでしょう?
ほころび始めているものをどうやって補償する?
縮小する?やり方を変える?何で埋め合わせする?
それをさっさとやりましょうと、星たちがうながしているように感じます。
そして社会の変化は、個人の変化と連動していますから、それは私たちのひとりひとりが「どうやって働くのが今のベストなの?」と問われるときでもあるのでしょう。
それは働き方に伴った価値観の変化でもあり、ライフスタイルの変化であるともいえます。
何も「絶対変わらなきゃいけない」ということではなく、今がベストで安定しているなら、それはそれで。
6ハウスというのは、角と角とをきっちりと合わせるように、ていねいに帳尻を合わせていく部屋ですから、でこぼこしているところを整えていくのです。
どこまでもクールに現実に即して、柔軟に。
蠍座と6ハウスという、ダブルでの変容の要請に、粛々と応えていきたい新月です。