タロットカードの運命の輪と世界のカードの四隅には、4つのエレメントを司る四大聖獣が描かれています。
運命の輪の時点では、羽が生えていて、それぞれ本を読んでいて、お勉強中なんですね。
それぞれのエレメントを鍛えて、そのバランスをとることを学んでいる過程といえるでしょう。ここには正義を司るスフィンクスに、悪魔を司るセト、未成熟さを示す蛇も同時に描かれています。
それが大アルカナ最後の世界になると、四大聖獣は実体化しており、それはすなわち自身の内で四つの質が充分に育まれて内在化されたということを表しているでしょう。
「均衡をとる」というメッセージは、タロットに繰り返し表れる主題ですが、それが自己統合あるいは個性化のために欠かせないものだといえます。
カードに描かれた四大聖獣は、豊かな大地の恵みを象徴する牡牛、高貴な火の自尊心を象徴する獅子、感情の水が昇華された姿を象徴する鷲と、理性の風によって自身を律する人間によって構成されています。
これらは、それぞれ対立している要素であり、それを統合していくことが、成長の旅路というわけです。
豊かな大地の実りを得るためには、先人が作り出した知恵をフォローして、それをくり返すこと、そしてまた教え導いていくことが欠かせないでしょう。これは宗教の教義から、さまざまなビジネスのメソッドに至るまで、あらゆるところに見ることのできる「生きた知恵」であり、それをどれだけ習得しているのかによって成功したり、ヒエラルキーを作り出したりもします。
しかし、個々には異なる魂の色合いや持ち味があり、決して誰もが同じ感性や感覚を持ってはいません。マニュアルに書かれていることをするだけなら、自分がしなくても良いではないか。他とは異なる自身のオリジナリティを表現することで、他者から認められようとするのは、私たちの魂の情熱であり、それは生きている証ともいえるでしょう。
でもそんな自分が誰からも見られなかったら? 尊重されなかったら? 愛されなかったら?
それはかなしみ、あきらめ、絶望、みじめさといった感情となるでしょう。自分が得られなかったものを持っている人に嫉妬したり、怒りを感じたりすることもあるかもしれません。
それらの心に溜まった陰の感情を「余さずに見ること」で、蠍は心軽やかに空を飛ぶ鷲へと変容します。陰の感情は怒りや恨みとして、相手を攻撃したり、自分を否定したりするでしょう。でも、そうではなく、ただそれらを感じること…苦しさ、悔しさ、みじめさ、傷つきを感じきることで、それは変容するのです。
それを助けてくれるのは、人間の知性の働きでもありますね。自分の中にあるものを見て、受け入れることで、統合するのです。
自身の内にあるものを冷静にみて、バランスをとることのできる、コンピュータのような知性を象徴するのが水瓶座。好き嫌いを超えて、事実のみをみる力。
理性の力で、本能を統合すること。
安全なところに留まろうとする未熟な自身を奮い立たせて、自分だけが特別でありたいと思う心に、同じように他者をみるように諭し、憎しみや嫉妬にとらわれている心を感じきることで解放して、それらすべてを含んだまま、自分になっていく。
秋の朝活2daysでは、ここのところに働きかけていきたいと思います。