2023年3月24日に冥王星が水瓶座へ入宮します
248年の公転周期を持つ冥王星はひとつの星座に12~30年滞在するので、星座を移動するのは占星術的には一大イベント。2008年から15年ほど滞在していた山羊座から水瓶座へと移動すると、しばらくはふたつの星座を行ったり来たりしながら、2024年11月から本格的な水瓶座の滞在となります。
そこから2043年まで約20年の水瓶座冥王星時代ですね。
冥界の王の名を持つ冥王星は、誰もが決して逃れることのできない絶対的な力を象徴します。
それは生きているものすべてに寿命があり、その期限を延ばすことはできないということ。盛者必衰の理ですね。
どんなに優れたものであっても、その栄華はいっときの最盛のあと、別のものへと移り変わるでしょう。
世代を超えて引き継がれていくもの……遺伝や継承もまた冥王星の司るものですが、今度入宮する水瓶座という星座は、受け継いだものをそのままの形で受け入れずに、必ず新しい新しい形に改良する星座です。
既存のシステムを最新版に改造して、もっと今の時代にあった使い勝手の良いものへと進化させるでしょう。
ですから、社会が過去から受け継いできたものをまったく新しい形へと進化させる時代になるということが想像できますよね。
250年前の前周期で冥王星が水瓶座に入ったとき、起きた出来事として象徴的なものはアメリカの独立戦争とフランス革命でしょう。
古い権威からの支配を覆して、民衆を主権とする主従の逆転劇もまた、受け継がれたものを改造する働きですね。
ですからこの水瓶座の冥王星期間に、あらゆるところで世代交代が起こり、それはただ新しい世代へと中心層が若返るだけでなく、旧来の権威が没落して、もっと広くに力が分散される形で行われることになるでしょう。
縦型の組織から、協力体制のアライアンス型の組織へ。唯一絶対のスターから、あちこちのユニークな個性を持った人々が並び立つ時代へ。
いわゆる風の時代として謳われる個人の自由裁量と多様な価値観が力を持つことになり、その分、ひとつずつのパワーが分かち合われる形で分散されるようにもなるでしょう。
そして社会の中で権威の交代が起こるということは、個人の内部においても、同じことが繰り広げられるということでもあります。
これまで社会的な権威が力を持ち、伝統的に受け継がれたルールが正しかったのだとしたら、内なる権威に主軸が移り、自由な個性や価値をもっと認めた生き方をしたくなるかもしれません。
それは内なるワンマン体制から、自身の内にいるすべての多様な価値が並び立つことであり、内なる望みや理想や喜びや繊細さを含んだ生き方へと発展していくことだともいえるでしょう。
冥王星はすべてのものを解体する性質があるので、新しい生き方をするために、個人の中に秘めてきたものや触れないようにしてきたものも、すべて白日の下にさらされることになるかもしれません。
改造するときにはパーツを一度すべてバラバラにして、それから組み替えていきますよね。
ですから、内なる闇を見ることを恐れないでください。この冥王星の改革劇はそこから始まります。
水瓶座という理想の光を持つ星座に、冥界の闇を象徴する冥王星がやってくると、光と闇とが際立ってくるでしょう。しかしそれは分離したものではなく、同じひとつのものの両極です。
どちらかを排除するのではなく、その清濁を併せ吞み、自分のなかでひとつにすることこそが、私たちにとっての革命となるのかもしれません。