キロンの傷を認知する | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

先日ひさしぶりに、キロンをテーマとした勉強会をやったのですが、とても興味深い探求の時間となりました。

 

占星術の小惑星キロンは『たましいの傷』と呼ばれて、どうしてもドラマティックな連想をさせる傾向がありますが、土星クロノスの遺棄された子であることから、その傷の付き方が土星と似ているようにも感じられます。

 

自分ではどうすることもできなかった出来事において、もたらされた傷ですね。

 

土星の場合は、傷つくと固くなって、痛みを感じないように拒絶する質がありますが、こちらは神話の中で心臓を射られたキロンが流血しながら助けを求め続けたように、いつまでも生々しくリアルな痛みを感じ続けるところがあるでしょう。

 

それゆえ、そのジュクジュクした傷に触れないように、隠して、隠して、そこに触れないように慎重に振る舞うことが、キロンのサインやハウス、アスペクトに見受けられます。

 

そして「傷ついたヒーラー」の異名の通り、その傷は、いくつになっても、どうしても、癒えないのかもしれないな~とも思います。でも、その痛みこそが、知恵にもなっていくわけですね。

 

牡牛座のキロンが2ハウスにある人が「私は自分の心地よさを優先しません!」と言ったり、太陽とキロンが合の人が「私が輝くと必ず失敗するんです」と言ったり、牡羊座のキロンが3ハウスにある人が「コミュニケーションは絶望的で、思ったことを話したら、やられてしまう!!」と言ったりと、キロンの探求会では数々の名言(迷言!?)が飛び出してきます。

 

それはいずれも、避けようがなく起きた出来事と、そこから生じた生々しい傷に触れることへの恐れから生じるのでしょう。

 

 

50歳前後はキロン・リターンの年齢ですが、そのあたりになってようやく、その痛みを共にいられるだけの精神力が養われるともいえますし、その傷をオープンにするだけのある種のふてぶてしさみたいなものが芽生えるともいえますね(笑)


いずれにしても、キロンもやっぱり、自分がどんな傷を持っているのか、認知することから始まるのではないかと思います。

 

そうでない限りは、そのじゅくじゅくした痛みに触れることを無意識のうちに避けてしまいがちです。

 

クロノスの息子であり、土星と天王星のあいだをめぐる虹の架け橋として機能を持っていることから、未成熟な土星を成熟させていくことも、キロンを知恵とするための大事なファクターといえるでしょう。

 

ですから、キロンを読むときは土星もセットに掘り下げてみると良いのではないでしょうか。

 

まだまだキロンの探求も掘り下げていきたいと思います。