10月28日から12月20日まで木星が逆行して魚座に滞在します
逆行は星があたかも逆方向へ進んでいるかのように見えますが、実際に逆に動いているわけではなく、地球との位置関係によってそう見えるだけです。
逆行にはさまざまな解釈がありますが、私の感覚では天体の極と極の幅が広がるイメージ。木星でいえば、発展や恩恵、実り、慈愛、法といった方向にも、横暴、いい加減、口先ばかり、他人任せ、流される、アンモラルといった方向にも、よりワイドに広がるといった感じです。
幸運の象徴でもある木星ですが、これは高い意欲と志で努力するものを助ける星であり、単なるラッキーではありません。そこにあるものを増幅させるので、努力や実りも増やしますが、怠惰さや依存心、浪費や暴飲暴食、病症なども拡大させるでしょう。
逆行は11月24日まで続き、その後は順行に戻って、年末前に牡羊座に再びやってきます。
木星が魚座に入ると、だいぶ前から魚座にいる海王星とほぼ重なって、さらに双子座に長期滞在中の火星とスクエアの角度を作ります。
木星・海王星---火星という関係ですね。この三つの絡みがゆるく11月いっぱいぐらい続いていきますが、ちょっと意識的でいたい組み合わせです。
木星は増幅させる、火星はパワー、海王星はコントロールできない、です。最後をいれると「え!?」ってなりませんか?
そうなんですよ。コントロールできない形で盛り上がり過ぎたり、まったく盛り上がらなかったりする可能性があるのです。
そのため気分のムラが出てくることが予想されるでしょう。すごく意欲的でやる気になったり、まったくテンションが上がらなかったり。それもあまり理由がわからずに起こります。
テンションって上がり過ぎても、下がり過ぎても疲れるんですよね。なので、なんとなくだるいとか、寝ても寝足りないとか、ぼんやりしたりとかも起こりやすいでしょう。
かと思ったら過集中状態がやってきて、思いがけないアイデアやひらめき、センスと共にすごい勢いで何か創作活動が始まったりですね。ドバドバーッと塊のような恩恵が天からやってきたりもするのです。
その一方で神経過敏になって、すごく神経質にいろんなことが気になったり、ちょっとしたことで傷ついたり、自信がなくなったりもするんですね。ひとつのことを妄信的に考えすぎてしまったりですね。
かと思ったら、果てしなくやさしい気持ちがあふれてきて、世界中に愛を捧げたくなったり、人のために何か活動したくなったり。夢のような理想が広がったりですね。
簡単に人のことを信じやすいので騙されやすかったり、自信がなくなるので依存したくなったり。なんでも相手の願うものを与えたくなったり、急にひとりになりたくなったり。
世界とつながりたいけど、たくさんの情報に振り回されも、混乱もしやすいときです。何をしたいのかわからなくなったときは、デジタルデトックスして、朝に散歩してみたり、自然の中でゆっくり過ごしたりしているうちに、自分のペースや自分らしさが戻ってくるでしょう。
魚座で木星と海王星が重なるのは、この二ヶ月が最後であり、もうしばらくありません。木星と海王星は13年毎に重なりますが、次は牡羊座であり、その次は牡牛座であり…魚座で再びこのふたつが出会うのは160年以上先のこと。(計算したら2188年でした)
最後の星座である魚座と、それを守護する木星と海王星は、私たちがさまざまなことを終わらせることを助けてくれます。
新しく時代が変わる境界において、古いやり方、考え方、執着、思いなどを、手放していくのに最適な時期といえるでしょう。再び木星が牡羊座に入るときに、軽やかに次のステップへ進むために、ここでしっかりと終わらせておくことが大切です。
卒業式や退任式、お葬式といったように、お別れには儀式が必要です。納得していても、していなくても「これはここまで」と線引きすることで、諦めと共に新しい状況を受け入れる準備が整うのでしょう。
自分自身の心の内側と、過去から持ち越してきたものに、愛と慈しみとリスペクトを向けて、大河の流れへと、そっと手放していくときです。
やさしく、注意深く、お過ごしください。