たまにこんな風に質問されることがあります。
「私の7ハウスに天王星があるのですが、これって離婚するってことですか?」「火星が7ハウスで、冥王星とスクエアになっているから、私の対人関係は最悪で、結局誰ともうまくいかないんですよね?」
「この星がこの配置だから、××ですか?」というもので、××には何かしらのネガティブなワードが入ります。
「水星逆行だから、間違いと物忘れが増える」とか「土星が角度をとっているから、私はこれができない」というのも、これに該当するかもしれないですね。
そういったものに対する、わたしの見解はあるのですが、それを言った人も、言われた人も「本当にそうなのかな?どうしてそうなのかな?」と、じっくりと考えてみるといいのではないのかな?と思うのです。別に意地悪でいってるわけじゃないです(笑)
「プロの人に言われたんです」というケースも多々あって、権威的な人に言われると、私たちはそれを信じてしまいやすいですよね。でも、そうであったとしても、本当にそうなのか、検討してみると良いと思います。
セカンド・オピニオン、サード・オピニオンって、有効ですよね。じっくり考えることで、自分がどうしたいのか、見えてくるものがあります。誰かにとっての正しい答えではなく、自分にとっての答えを見つけていくことが大切ですものね。
現在、火星が双子座に長期滞在中で、誰もの中の知的好奇心が活発になっています。特にこの秋分では火星と木星が72度の角度になるので、とにかく何でも速くなるということを書きました。
どんな情報もすぐに手に入るし、それは毎日どんどんあふれるようにやってきます。もはや検索しなくても、ネット側から提案されるようにもなってきましたね。
双子座は人生初期に身につける知性を象徴していて、幼少期の子どもが「あれは何?これは何?」と、目に入るすべての物がどんな名前で何のために存在しているのかを知りたがる時期に近しいものがあります。
身のまわりで起こる、あらゆることを知ることは、サバイバルに欠かせない能力でもありますね。とりあえず網羅して、それが何か、関連付けて知っておく。そして、ひとたび知り得たことは「当たり前」の前提となっていき、その上に新たに知り得たことが積まれていきます。
私たちの知性の旅は、その当たり前のことが「なんでだろう?」と思ったときに深まっていきます。
お礼は「ありがとう」と言うんだと知ることが双子座だとすると「どうして『ありがとう』なんだろう?それはどこからやってきたものなのかな?」と、当たり前のものを探求し始めるのが射手座のもたらす知性です。
それは私たちを源流へといざないます。語源は何か? どのような意味が含まれていて、それはどんな背景から生じたものか? なぜこの所作はこうするのか? どうして私はこのように考える傾向があるのか?
それを知ることで、当たり前の前提に対する意識が変わります。そしてまた、あるものに行き着いたときには、世界に対する見方も変わるでしょう。
射手座の支配する9ハウスは「世界をどのように見るか」という、私たちの思想を司る領域です。私たちが何をどれだけ深く知っているか、どのようにとらえているか、どんな色眼鏡をかけているのかによって、同じ世界がまったく異なるように感じられるのは、ここが宗教の部屋として考えるとわかりやすいかもしれません。
英語の「consider(熟考する)」という単語は、ラテン語の「considerare」が語源とされていて、その意味は「星を観察する」です。ローマ人の占星術信仰が元になっているともいわれますが「星を観察すること」が「物事を熟考すること」であり、逆に物事を深く考えるときに、星を辿ったということでもあるのかもしれません。
占星術に限ったことではありません。誰かに何かを言われて傷ついたとき。相手の意図がわからないとき。自分が妙に落ち込んだり、普通じゃないような気がするとき。ただ考えるのではなく、それがどういう背景や思想から起きているものなのか、深く内側に問いかけて、源流を探る旅に出ることをおすすめしたいです。
向かい合う星座のペアは、お互いの質を深めることを助けてくれるので、火星の双子座の時期は、この射手座の質がバランスをとってくれるのではないかと思います。
そうしたらきっと「7ハウスに天王星があるから離婚する」というのが、どこからやってきたものなのか、それが本当なのかどうかも含めて、わかるんじゃないかなと思うのです。