愛と憎しみのボレロ | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

人間関係。

 

本当に複雑でむずかしくて、愛おしくて、喜びがあふれて、やっぱりむずかしいなと思います。永遠のテーマです。

 

人と交流がはじまって、深く関わるようになると、そこには良いことばかりでなく、必ず葛藤するような、思い通りにならないような、イライラすることが生じます。

 

人間関係を司るのは金星と火星ですね。「あの人、いいな。仲良くなりたい」と金星が好む相手を見出し「私と仲良くなりましょう」と火星がアプローチすることで関係がはじまります。

 

最初のうちは一緒にいるだけで楽しく、刺激的で、新鮮な喜びに満ちています。しかし、しばらくの時間が過ぎると、モヤッとしたり、わかり合えない部分が出てきたりするでしょう。

 

お互いの心地よい距離感や付き合い方や求めるものは、それぞれに違います。それゆえに「もっとこうして欲しいのに」「どうして、これをわかってくれないんだ」といった不満が芽生えたり、あるいは相手の求める距離感を窮屈に感じて少し間をあけ始めたりしますね。

 

お互いのその態度が不満であるときに、口論や喧嘩をすることもあるでしょう。そうすることで一時フラストレーションが抜けるので、また関係が落ち着きます。

 

しかし、そこでお互いの納得のいく調和点を見つけることができなかったら、またしても不満が募っていき、葛藤が生じるでしょう。

 

それを感じたくないときは距離をおいたり、考えないようにしたりするかもしれません。それでも葛藤はなくならず、また話し合いなり、喧嘩なりが必要となります。

 

葛藤や口論や喧嘩は決して心地よいものではありません。そこで、あまりにも心地悪さを強く感じる場合は、こんな思いを生じさせる相手と関わること、そのものをやめてしまおうというアイデアがやってくるでしょう。

 

無視する、距離をおく、断ち切る……我慢してフラストレーションを溜めこんだ時間と質量が多いほど、感情は激しくなっていきます。

 

顔を見たくない。声も聴きたくない。存在を消してしまいたい。最大級の怒りですね。そこでブチッと関係を断ち切ることもあるでしょう。

 

ここで気づいておきたいことは、それが激しい感情であるということです。対人関係は天秤座、それが深まるのが蠍座。蠍座が象徴する感情として、深い愛と深い憎しみという相反するものがあります。愛を深く傾けた相手だからこそ、憎しみも深くなる。誰もが深く人と関わるときに、持ち得る感情ですね。

 

 

激しい憎しみや怒りが内側にあることは心地悪く、平穏さから私たちを切り離します。ですからそれを感じさせる相手との関係を断ち切ることで、この感情を終わらせようとするわけですが、でもそれが感情である限り、本当に必要なのは、それを感じることでしょう。

 

相手にぶつけることではありません。自分自身がしっかりと感じることで、それはリリースできます。

 

誰もいない時間にバスルームに籠もるか、枕やクッションを抱えてベッドルームに籠もるか……いずれにしても、腹の底にある怒りと憎しみをすべて罵詈雑言に変換して叫んでみましょう。シャワーを流しながら、あるいはクッションに顔を押し付けながらだと、やりやすいかもしれません。

 

「こんなことをして大丈夫?」と客観視したり「バチがあたるんじゃない?」「私にも悪いところがあるし」といった道徳心が芽生えるかもしれませんが、全力で無視します(笑)

 

ハート(感情)と思考はときに対立するので、思考が心地よくないと判断するものがやってくると、止めたくなるのですね。しかし、いまはハートの時間です。地団駄を踏んでみたり、食いしばってみたり、ばんばんと枕をぶっ叩いてみたりして、とにかく内側にある激しいエネルギーを全身で表現します。

 

怒っていいし、嫌いでいいし、子どもみたいに聞き分けがなくてもいいのだと、自分に激しさを感じることをゆるしてあげるのですね。

 

しばらく続けていると、そのうちに「もう充分だ」というときがやってきます。ちゃんと終わらせることが大切ですね。

 

どんな感情も最後まで味わい尽くすと、それは私たちの身体を吹き抜けて、ゼロに連れて行ってくれます。

 

そうすると不思議なことに、さっきまであんなに頭にきていた相手と、またフラットに付き合うことができるでしょう。