先日、占星術のトランジットのクラスを開催しました。運勢を読み解いていくうえで、トランジットを見ていくことは欠かせませんが、情報がたくさんあるので慣れていないうちは迷ってしまいやすいですね。
初めてトランジットを学ぶクラスで、私が好んで取り上げるのは土星です。公転周期の速い星は、その影響が深まる前に過ぎ去ってしまうし、かといってトランス・サタニアンは逆に深すぎて、ピンとこないこともあります。
わかりやすいのは火星・木星・土星・天王星あたりですが、中でも土星はやっぱり人生の要ですし、個人的に好きなので(月が山羊座ゆえ?)、いつも時間をかけて、じっくりと取り上げていきます。
ホロスコープ・チャートには運命が描かれているというよりも、人生のなかで、さまざまな物事を乗り越えたり、自身を成長させて統合に向かうためのヒントが描かれていると思うのですが、この観点からすると、トランジットの星たちも「何が起きるのか」というよりも「この時代を過ごすために、どうしたらいいのか」というヒントがあるといえます。
中でも土星は、いまの時代にアジャストするヒント……いま世界で起きていることが、どんなものであったとしても「いま、ここ」に適応するためのヒントが描かれているのですね。
今年は土星が水瓶座に入って2年目ですが、目の前でどんなことが起きたとしても「水瓶座的なやり方を採用すること」がヒントとなるわけです。
水瓶座は自由や公平性や横のつながりで協力することや独自の考え、古いやり方を脱却すること、最新技術や独立することなどを象徴します。
そしてこれらのキーワードを含んだ、水瓶座の根っこには「内なる権威に従う」というものがあります。自身の尊厳を何よりも大事にして、誰になんと言われようとも、自身の決定に従うという心ですね。
たまに「風の時代、水瓶座の時代だから、SNSをもっとやったほうがいいですか?」と聴かれることがあります。
この場合の正解は「やりたいかどうか、本当に必要かどうかは、内なる権威に聴いてみましょう」ですね。今年のあらゆる問いに対する答えはこれに尽きます(笑)
ひとつのアイデアとして、他者に聴いてみるのもアリですが、あくまで答えは自分の中心にお尋ねするわけです。
この権威は、マインドではありません。マインド、思考はあくまで私たちの主人の従者です。
いま、世界でこんなことが起きていますよ。
まわりはみんな、こんなことをやっていますよ。
まわりから、こういう要求がありますよ。
と、マインドという従者は情報を集めて、分析し、主人に伝えますが、それらをもとにいま、どうするかを決めるのは、あくまで主人です。
この決定権を握っているのが誰なのかがわからなくなると、混乱してしまいますね。従者であるマインドが物事を決定しようとすると「何が正しいのか」がわからなくなり、考えすぎて、ますます迷います。
しかし、中心にいる権威、我らがマスターは必ず答えを知っています。
そういう意味で、トランジットの土星が水瓶座にいる時代を生き抜くコツは、まわりがどうであれ、いろんな情報が行き交うにせよ、自身の中心としっかりつながること。そして時々、周りの声を遮断した環境に身をおいて、自分の本心から動いていくこと、といえるかもしれないですね。
前例もなく、誰かに合わせるでもなく、この「たったいま」という瞬間から、新しい1ページをひらいていくこと。
それが水瓶座の「自由」であり「過去にとらわれない独立した姿」であり「最近の方法の採用」でもあるのでしょう。
自分を信頼して、直観に従うことが、迷ったときのコツですね。そのために時々マインドを休ませるといいかもしれません。従者にお休みをあげると、もっと効率的に働いてもくれるでしょう。