2022年2月17日1:57に獅子座の満月です
真夜中にぽっかりと天上に月が輝く夜。
他の惑星たちは全部、地平線の下に隠れてしまうので、獅子座だけに夜の闇を唯一無二の光で照らしてくれる満月となりそうです。
真夜中の、誰もいないところで、わーーー!!と叫び出したいような、日常のなかでガマンして、抑えこんでいる気持ちが高まって、あふれ出してくるような月夜だなと感じます。
チャートでは大半の星たちが2・3ハウスに集まっています。2ハウスを象徴するのは、価値や豊かさ、持ち物、そして愛。3ハウスはそれを獲得するための日々の実践とコミュニケーションですね。
5天体が2ハウスに集まりますが、この部屋の欲求としては「とにかく、たくさん欲しい!!」です。価値あるものが。豊かなものが。財と愛が。
2ハウスの豊かさは持っていることで自己価値を高めるだけでなく、精神的な安全や安心を、物理的に支えてくれます。
「これだけあるから大丈夫」「これがあるから安心」という安全保証の感覚は、サバイバルへの恐れを緩和してくれるでしょう。
なかなか先が見えなくて、まん防も延長されそうだし、どうにもパッとしない状況のなかで、誰もがしっかりとした「大丈夫!!」という安心を、物理的な財産によって感じたくなる時期だということですね。
「これからどうなるんだろう…」という漠然とした思いと同時に「何かしておいたほうがいいのかな……」という思いが起こりやすいときともいえます。
何かを始めたい。でも、どこから始めていいのか、よくわからない。
2ハウスを実践に移す、3ハウスにも星が集まっていて、あれこれイメージはふくらむし「こうなったらいいな」という思いはあるのですが、いかんせん、腰が重くて、動かない感じなんですよね。
2ハウスは所有することを目的とした部屋なので、損すること、なくしてしまうことを何よりも恐れます。必ずうまくいくという保証があるならいいけれど、そうでないなら、リスクを負うことにためらいを抱きます。
だって投資したお金が戻ってこなかったら。かけただけの時間や努力や情熱や思いが報われなかったとしたら。
かつて試みたけれど、実らなかった、うまくいかなかった……という経験があると「またそうなるのでは」というところに、自分を置いてしまうでしょう。
だから、二の足を踏んで、なかなか進めない。だけど、やっぱりもっと安心もしたい。
なんともいえない、そんなジレンマが起こりやすい感じがします。
これは価値や財を「愛」に置き換えて考えることもできると思います。
2ハウスの象徴する愛は、身体で感じる愛。そして愛される喜びです。
私たちは愛する人から愛されることを求めるでしょう。そのために、愛する人に尽くしたり、寄り添ったり、プレゼントしたりするわけですね。
そうすることで愛される側は、相手の思いや愛情や物理的な財産の一部や精神的な支えを受け取るわけです。
しかし、たくさん与えたにも関わらず、相手が同じぐらい、愛を返してくれないと「自分ばっかり、損している」という気分になりますよね。
また自分が愛するつもりがない人から、たくさん貢がれても、同じだけのものを返せないため、ただ重いだけになってしまいます。
自分が愛を向けて奉仕する相手が、同じぐらい自分に愛と関心を向けてくれると、相思相愛になるわけですが、人によって「どんな行為を愛と感じるか」「どれくらいの距離感を心地よいと感じるか」「どれくらい愛に費やすパワーがあるのか」といったことが異なるため、そこでさまざまなドラマが起こり、関係性はむずかしいわけです。
なので誰もが必ず関係性のなかで傷ついたり、失敗したり、報われなかったり、圧倒されたりという経験をするものですが、こちらも才能を使って財を増やすときと同様に「こんな思いをするなら、この人とは付き合えない」「これ以上この人と過ごすのは時間の無駄」と感じると、それ以上の「投資すること」をやめてしまうでしょう。
そして、深く関係を築くこと、情熱的に愛することに二の足を踏んでしまうようになるかもしれません。
愛と豊かさ。占星術ではこのふたつが2ハウスの象徴であるため、たくさんの豊かさを受け取ることは、たくさんの愛を受け取ることでもあるんですね。だから愛を惜しむと、豊かさも惜しむことになるし、その逆もまた然り。
もし、たくさんの愛と豊かさを得ることを望み、そこに安心を得たいのであれば、それは自分の持っているものを出し惜しみせずに、どんどんまわしていくことに尽きるでしょう。
たくさん愛して、たくさん尽くして、たくさん与えることが、世界を豊かにするカギとなります。
ほんのすこしで良いものを得ようとしても、それは結局、ほんのすこししか還ってこないわけですね。
投資の基本は長期運用です。途中でマイナス成長があったとしても、解的せずにせっせと続けることが基本です(笑)
愛も才能も、出し惜しみするほど、育たず、まわらず、信頼が生まれず、世界が豊かになりません。自身の持っている愛と価値を育てていくことが、2ハウスをリッチにするカギでもあるんですね。
ヴェールの下に隠している豊かな才能とあふれるばかりの愛を解き放って、自身の輝きで暗い世界を照らしていく、獅子座の満月。
かつて諦めた思いと、それでも諦めきれない愛への情熱とのあいだで、生きている命を悔いのないように使っていきましょう。