2021年12月19日13:35に双子座の満月です
今年最後の満月はとにかく忙しない雰囲気が満ちています。やりたいこと、やらなきゃいけないことが目白押しで、予定をさばいているだけで、あっという間に時間が経っていくかもしれません。
満月を迎えると、10日ちょっとで2022年です。本当に師走は速いですね。
そんな時期なので、しっかりと地に足をつけて過ごしたいのですが、どうも水星と海王星が角度を作るので、どことなくフワフワしたり、ぼんやりしたり、ぽっかりと忘れたり、急に疲れて何もしたくなくなったりしやすいときでもあります。
そしてこの星が無意識の領域から、何か心の深い部分に訴えかけてくるものがあるでしょう。それは夢や、たまたま見かけた言葉やイメージ、数字、ふとした記憶の浮上からやってくるかもしれません。
でもそれは、この忙しい毎日のなかで「見てみよう」と意識しなければ、容易に見過ごされてしまうでしょう。
自分の心の内を見ることができる、実はけっこう大事なタイミングでもあるのですが、そのためには内面を探る時間を作らないと、気づかないまま、過ぎていきやすいときでもあります。
特にこの時期は、誰かに対する激しい感情を通して、自分の内面に気づくことができるタイミングです。現在、金星が山羊座に入っているのですが、これがぴったりと冥王星と重なり、天頂に位置しています。そしてまた満月図の上昇宮の牡牛座の上には天王星があり、これらは対人関係を通して葛藤や強迫観念を増幅させやすい配置といえます。
なので、外側の人物や出来事に対して、ちょっとしたことでイライラしたり、戸惑ったりしやすいときですし、その背後で「こうするべきだ」「これはおかしいでしょ」と強く思うときほど、それに気づけるわけです。
なかなか思うようにいかないこと、コントロールできないこと、期待通りにならないこと、承服しかねること、許せないこと……何が引っかかるのでしょう?
どんな風にしたいのか、させたいのか、させたくないのか、どうなることが理想なのか……どんな思いがあるのでしょうか?
「思い通りにいかないこと」や「望まない言動や反応」に対して、激しい感情が掻き立てられたり、コントロール意欲が増したりしやすいときです。あるいはその対象が自分に向くと、自分に対して厳しく批判したり、否定したくなったりして、自己嫌悪に陥り、他者と関係を深めることにしんどさを感じることもあるでしょう。
忙しさの合間に、そのような感情がやってきやすいときです。心が揺れないように、気づかないように、やり過ごしたとしても、何度も心の中に浮かんできては、平穏な気持ちを乱してくるかもしれません。
ダークマザーの再来というのが、この配置が私たちに体験させることです。それは幼少期に母親から拒絶されたときの体験……誰もが必ず、大好きな母から否定されたり、拒絶されたりした経験があると思いますが、そのときの傷を再現させる配置です。
そのため、いま付き合っている人間関係を通して、誰かからひどく拒絶されたような気持ちになるか、あるいは誰かを厳しく批判して拒絶したいような思いに駆られやすいでしょう。どちらかの立場でそれを再現しようとするのです。
どちらにしても、なんとなく嫌な気分…自己嫌悪に陥りそうな、罪悪感のような、孤独な思いが胸に広がるでしょう。
でもそれは何も無駄に傷を再現しているわけではないんですね。私たちの記憶のなかにある、そういった「拒絶の経験」を思い出し、その時に傷ついた思いをちゃんと認知するために起きているのです。
もし、そのことに気づかずに、潜在意識のなかに傷つきを秘めたままにしておくと、これが無意識のうちに展開してしまうので、対人関係で相手に甘えることや、本音をさらけ出すことが難しくなったり、遠慮したり、自信が持てなかったり、あるいは逆に相手に依存したり、合わせすぎたりすることが起こります。
自分がいつも何か足りない感じがして、そのことから焦りがあったり、自信がなかったり、自分を表現することがむずかしかったり、逆に認めてもらうために過剰にアピールしすぎたりすることも起こるでしょう。
それは傷の記憶が引き起こすことなのですが、普段はそんなことに気づかないし、自分の内面の繊細さなど、表現せずに相手に知られないようにやり過ごしてしまえます。
そこに気づくことができるという、なかなか繊細な時期なんですね。そして自分の中にある痛みの感情を認知することで、私たちはすこしずつ日常を変えていくことができるようになります。
誰かとのあいだに起こった出来事をトリガーに、苦々しい感情を体験したとき、あえて、その感情を味わい尽くしてみるといいかもしれません。気分を逸らして感じないようにするのではなく、あえて心の真ん中にぽっかりとあいている部分に入り、さみしさも、孤独も、惨めさも、劣等感も「みんな、おいで」と招き入れてみてください。
痛みや悲しみがあるかもしれませんが、同時に散り散りになっていた心の一部たちが戻ってくるかもしれません。
拒絶されて、失われた私を取り戻す旅路。
すべての母子のあいだで果てしなく繰り返されてきた、不完全な母の罪悪感に感謝とお別れを。
苦虫をつぶしたような心地悪い感覚を放っておくのか、あるいは味わい尽くすのか。
苦い食べ物が美味しく感じられるのが、大人としての成熟であるように、私たちの精神も苦々しい体験を味わうことで、豊かでリッチになっていくのかもしれないな~と思います。