2021年11月5日06:14に蠍座の新月です
夜が明けるとき、東の地平線に太陽と共に月がぴったりと寄り添って昇る新月です。美しいですね。
まばゆく、幻想的な月が、蠍座の象徴する"見えない真実"や"深いところに隠された感情"に触れることをうながしているようです。蠍座はまさに、そういったものに触れることで、充足するサインでもありますね。
"私"を探求する。私は何者で、どんなときに何を感じ、何を愛し、どんなことに心が動いて、どのように成長しようとするのか。
蠍座は人生のミステリーを解き明かす星座です。支配星である冥王星と、ちょうど72度の角度を作るのですが、72度クインタイルって、360度の円を五分割したときに表れる「五芒星」の角度で、私たちが進化することや、本質が開花することを象徴する度数なんですね。
内側にあるものが紐解かれることで本性が香り立つような、隠されたものに触れることで、自分の本性が開花するようなです。
そのためにいま、外で起きたことをトリガーとして、内へ内へと潜っていく必要があるかもしれません。
そう感じたのは、内側で何が起きたからか。
私たちの毎日は忙しくて、やることがたくさんあり、いちいち立ち止まったり、振り返ったり、内観したりするには、あまりにも時間が足りないかもしれません。でも、それをせずにいたら、一体だれのための人生を生きているのか、だんだんわからなくなってしまいます。
内なる強さや愛とつながって、自分の本当に望んでいることのために、そのエネルギーを注ぐことで、私たちの思いが現実になり、人生は創られていきます。忙しくても、そのひとつひとつを丁寧にやっていくこと、違和感があるときにそこに注目していくことが欠かせないですね。
この蠍座の新月は、他者との関係を鏡として、自分のニーズともっとつながることをうながしてくれるようです。
新月の向かい、西の地平線DSCに天王星があることから、この時期に注目したいのは、どちらかというと、自分をザラッとさせるような、不快な気持ちや違和感を想起させる相手です。
他者との関係に刺激されやすいときですが、いまの時期に、イライラや、不安や、緊張など、何かしらネガティブな気分にさせる人が出現したら、そこから心を深く感じて潜るチャンスです。
その不快さの裏にある、自分の本心は?ニーズは?
何が満たされなくて、私にこの感情が起きているの?
そのことに、もっともっと自分が気づいて、寄り添い、現実を動かすことで満たすことができるときです。冥王星が私たちの人生を進化させることを手伝ってくれます。自分のなかにそれを実現させるだけのパワーがあることにも、気づかせてくれるでしょう。
蠍座は窮地に陥っているときにこそ、一発逆転させてくれるサインでもあります。でもそのためには「転んでも、ただでは起きないぞ」という強い心構えが大切でしょう。
私が私の心に寄り添わずして、いったい誰が気づいてくれるというのでしょう。私が満たしてあげなくては、誰が責任をとってくれるというのでしょう。
蠍座の新月が冥王星と72度の角度を、土星と90度の角度を作っています。これまでと違うやり方をすることもできるし、これまでと同じやり方をすることもできるときでもありますね。
新しく変わること、慣れない道を歩くこと、これまでと違うやり方をすることをエゴは嫌います。慣れた道を歩いて、何度でも同じ穴に落ち、何度でも同じ感情を味わう方が、エゴにとってはラクなのです。勝手知ったる安心感があるのですね。
しかし冥王星は、私たちの本質からの目覚めをうながします。冥王星の持つ洞察力が、真実以外のものを解体させてしまうのです。ここに留まることが真実なのか、ここを離れて新しい道を開拓するのが真実なのか?
冥王星は命を生み出す源です。冥王星が象徴するテーマは性も死もお金も相続もパワーも、私たちのなかの強いエネルギーを喚起させるでしょう。
親や過去から受け継いだものを、そのまんまの形でなぞらえるのか、あるいはそれらを自分のモノとして獲得し、自分のなかで変容させて、オリジナルの形で表現するのか。これは蠍座のテーマでもありますね。
無意識のうちに繰り返し、なぞらえている過去を、その見えないミステリーを解き明かして、人生に変容をもたらす、冥王星の新月です。