およそ33年ぐらいの周期で合となる土星と冥王星が2020年の前に重なったのは、1982年の天秤座でした。土星と冥王星の合は、ある種の不安や恐怖によって、土星が耐久できなくなったものを、新しい形で再組織化するのですが、冥王星は後退せずに前進しようとするため、総じて新しい形に生まれ変わっていきます。
いまの時代に私たちが体験しているものは山羊座ですから社会組織、企業、伝統文化、地域といったものの再組織化といえますね。では、天秤座のときは?というと、エイズの恐怖の蔓延というのが、あの時代の冥王星の象徴でした。そして同時にその不安や恐怖がきっかけとなって解放されて、再組織化されたのは、セクシャリティではないかと思います。
天秤座のルールや秩序が新しく進化したのは、結婚生活、パートナーシップ、セクシャリティにまつわる個性ということですね。
いまやすっかり当たり前となりつつある、LGBTも80年代以前はマイノリティだったと思います。男女の結婚生活においても、長いあいだの家父長制に則って、基本は男性優位。
大体、昔から上流階級は家父長制の傾向が強く、庶民階級に近づくほど、強いかかあというのが増えていくと思われますが、天秤座的パートナーシップの観点からいいますと、そこにバランスがあるほうが、つまり同等の力関係があって、ぶつかり合ったり、譲り合ったりするほうが仲が良いということになります。
関係性というのは本気でコミットすれば当然、そこにお互いのエゴが投影されるので、葛藤や苛立ちが起こるわけですね。それを見て、イライラして、思い通りにしようとしたり、合わせてみたり、押したり、引いたりをくり返して、少しずつ、お互いにとってのベストバランスを見つけ出すことができるようになるのでしょう。
それは「揉めると面倒くさいから適当に合わせておこう」としていては、起こらないことです。ある種それもバランスといえますが、関わらないことでバランスをとっているのであれば、関わったときにバランスが崩れてしまうわけですね。
お互いが成熟するための摩擦であれ、試行錯誤であり、感情の揺れ動きですが、これが土星が天秤座でイグザルテーション(最も強く働く座)となる所以だと思います。
結婚に限らず、誰かと関係しながら共に何かをしていくとき、本当に一緒に押したり引いたりして、本気でそこに貢献することがとても大事だなと思います。
すなわちそれは金星と火星のバランスを見出すことであり、本気で相手と向き合うことでもありますね。正直に伝えること、誠実に愛すること。
小惑星ジュノーは私たちの結婚や関係性を司る女神の象徴ですが、そこで大切なことは、お互いの個性を尊重すると同時に、どうしたらひとつの目的を共有できるのか?ということに本気でコミットすることを表しています。
小惑星セレスは愛着を持って、関係を育んでいくことを、黒い月のリリスは古い家父長制のパターンから自立した関係を築いていくことの象徴でもあります。
当然そこでは傷ついたり、傷つけたり、裏切られたり、裏切ったり、不当に扱われたり、意地悪したくなったり、嫉妬したり、パワーゲームが生じたりします。エゴ同士の摩擦は、そう簡単ではありません(笑)
そんなこと、諸々も含めた「愛の予備校(笑)」というベタなネーミングのワークショップを11月に横浜で開催したいと思います。
愛について、探求したい方は、よかったら、遊びにきてください!!