2021年9月7日9:51に乙女座の新月です
乙女座で11ハウスがマジョリティ(惑星が3つ以上集まる)であり、上昇宮蠍座の副支配星・火星と、MC獅子座の支配星・太陽もそこに参加するので、このマジョリティがかなり強調される雰囲気です。
これを眺めていたら、ふいに子どもの頃の記憶が蘇ってきました。それは祖父が入会していた地域のライオンズ・クラブの思い出で、年2回の家族パーティーに中学に上がる頃まで、毎回連れて行かれておりました。
1970年代後半から80年代の高度経済成長期を経てバブルへ向かう真っ最中のライオンズ・クラブには地元の中小企業の社長さんたちが大勢集っており、せっせとコネクション作りと社会奉仕に励んでいらっしゃったのですね。このときの祖父のツテで、うちの実家の近所の路上には、ライオンズ・クラブ寄贈のカーブミラーが設置されております(笑)
小学生だった私には、そんなことは知る由もありませんでしたが、すごいご馳走とたくさんのプレゼントがもらえるパーティーはなかなか魅力的で、会の終わりには意味もわからないまま、音で覚えた「ライオンズ・クラブの歌」を祖父と一緒に歌ったものでした。
子どもの頃に覚えた歌って、いつまでも忘れないものですが「♪Liberty, Intelligence, Our Nation's Safety (自由、知性、そして我らの国の安全を)♪」の「LIONS」だったのかと、大きくなってから初めて、その意味を知りました。
この団体の目的は「We serve (我らは奉仕する)」奉仕といえば乙女座ですが、この活動をヘタしたら本業よりも熱心にしていた祖父は乙女座です(笑)
ライオンズ・クラブ以外にも、政治政党活動や、地域の神道活動、華道の協会活動もしていたし、他にもいろいろな社会活動団体に所属して、ほとんど家に帰らず、そのためか祖父の葬式には1,300人ぐらいの弔問客がいらっしゃいました。
祖父の出生時間はわからないのですが、おそらく11ハウスの太陽だったんじゃないかな~と、これらの実績から予想しています。
私は奉仕する。そのために自分の心情、価値観、理想に沿った団体に属するという、この乙女座11ハウス・マジョリティの時期に総裁選が進行しつつあるというのも興味深いです。同じ志を持って集った社会活動団体の中で、さらに誰の派閥を推すのが、もっとも自分の理想の実現に近づくのか。
乙女座ルーラーの水星は12ハウス天秤座にあり、見えない背後の領域において、すでに激しい駆け引きが行われていることを思わせます。
そして公で起きていることは、私たちの個人に起きることでもあるので、この時期「誰とどのように付き合うのか」「どのグループに参加して活動するのか」というテーマが浮上することにもなるでしょう。
新しい活動が始まるかもしれないし、あるものは終わるかもしれないし、これまで以上に絆の深さを感じるかもしれないし、ある人は傷ついて少し離れてひとりになりたいと思うかもしれません。
私たちは他者と協力しなければ生きていくことができませんが、それは人間にとって試練でもあるという……。
心がなければ、どんなにラクなのかと思うときもあれば、深い友情と愛情に癒されて、救われることもある。
他者と協力して何かを成し得ることによって、ひとりでは創ることのできない喜びと感動を共に創り上げることもできるし、しかしその関係において果てしない孤独や絶望や嫉妬に駆られることも起こります。
私たちは日々、自分と他者、自分と友達、自分と属するグループとのバランスに、たびたび悩まされるでしょう。
この時期、そのような関係……友情やグループや社会的な活動の場において、ガマンしてきたもの、言わずにきたこと、バランスが崩れていると感じられるもの、不当に扱われているもの等に対して「ああ、もうイヤ。うんざり!!」という気分になることもありそうです。
深いところに溜めこまれたフラストレーションがアクのように浮上してきて、相手との関係を壊してしまいたい、もう離れたい、終わりにしたい…‥という気持ちにさせられることがあるでしょう。
もしかすると、 これまでもたびたび感じてはいたものの「これを口に出してはいけない」「それを言ったところでどうしようもない」と堰き止めていたものかもしれません。
でも今は心の奥に沈めてきたものがなんであれ、掬い出して、はっきりと見るときです。隠せば隠すほど、それは深い底にべったりと張り付き、堆積していって「恨み」に変わるかもしれません。
しかし、自分の内から自然と生じたものを認めていくことで、報われなかった思いが、報われることになるでしょう。
相手が認めてくれなくて諦めていたものを、自分まで見捨ててしまったら、それこそ本当に報われなくなってしまいます。
他者との関係のなかで報われず、屍のように横たわっている私の小さな欠片たちを拾い集めて、その無念を、その小さな望みを、その愛を、せめて私だけは愛おしんで、リスペクトしたい新月です。自由と知性と安全を、自分自身のために。