【新月】2021獅子座新月★華麗なる転身か、あるいは | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

2021年8月8日22:49に獅子座の新月ですしし座

 

オリンピック閉会式直後の夜の新月は、前回の新月や夏至に見られた「おまつりムード」とは打って変わって、厳戒態勢な雰囲気。天頂近くに土星と冥王星がドーンと陣取って、じんわりとした圧迫感と共に抑圧的なムードをにじみ出しています。

 

オリンピックが終わったら、感染症関連の報道が更に増えるだろうから、否応なしに緊張感が高まるのかもしれないですね。

 

土星が「私たちを守るため」に行動を制限し、冥王星がそこに無言の圧力を加えます。おまえたち、わかっているだろうなと……。

 

しかし冥王星は単に私たちをこの危機的状況においてヘビに睨まれたカエルのように圧倒するのみではなく、自身の価値観や考え方、行動の指針を変更することをうながしています。これまでの思考パターンの世界に留まるのではなく、いまこのときだからこそ、考え方や見方を広げて、まったく新しい価値観や生き方にひらくことができるときだとも、言っているのです。

 

冥王星は私たちに相反する、ふたつの働きをもたらします。自身の信念にかたくなに固執して、変わることを徹底的に拒むか、あるいは時代や状況の変化と共に脱皮するが如く姿を変えさせるかです。

 

いずれにしても、冥王星が強く働きかける時期は強迫観念にとらわれやすく、そうなると世界の見え方も考え方も狭く固定して身動きできなくなりやすいので、適度に身体と心をほぐして、すこしでもいいので、ゆとりの窓をひらいておくといいかもしれません。

 

 

新月となる獅子座の太陽と月は4ハウスに位置しています。4ハウスは「おうち」を象徴するハウスなので「安全な場所でステイホームしましょう」ということなんですけど、これは物理的なおうちのみならず「心のおうち」を示してもいるんですね。そこに住んでいるのは、もちろん「わたし」です。

 

占星術の世界ではチャートに登場する惑星たちが「わたし」のさまざまな側面…異なる人格を表しています。そこには「大人としての社会性のある私」や「子どもっぽい私」「遊びたい私」「そんな自分を厳しく見張っている私」などが同時に存在しているんですね。10の惑星がそれぞれ、異なる個性や役割を持っているのですが、彼らインナー・ファミリーが暮らす場所が「心のおうち」というわけです。

 

自分の中にいる彼らのひとりずつが、どんな個性を持っていて、どんな欲求があり、どんな行動パターンを持っていて、どんなことに価値をおいているのか、ご存知でしょうか?

 

そんな彼らの模様を目の前で再現する「コスミック・コンステレーション」というワークも昨年からやっていますが、4ハウスの象徴するステイホームは、単に人間としての私が「おうちにいましょう」ということのみならず、心の中にいる彼ら全員が安心して落ち着いていましょう、ということでもあります。

 

現実に私たちの家が居心地よく、安心できて、過不足なく、しっかり休める環境にあると、底力とつながって、自身を前向きに活動させることができます。しかし同じように心のおうちにおいても、自身の中にいる「彼ら」が安心してくつろいでいなければ、どんなに素敵な家があったとしても、落ち着きません。

 

普段から自身の心とよく対話して、いま何が起きているか、何を感じているか、何を求めているか、何が不満で、どうなればよいのか、よく見て、気づいていれば、どんな状況であっても私たちの心はぴたりと中心に戻りやすく、静かな落ち着きを取り戻すことができるでしょう。

 

しかし本心を聴くことを後回しにしてきた人は、この時期に彼らがもっと気づいてほしい、感じてほしいと、主張してくるかもしれません。彼らの訴えは心のざわめきや、落ち着きのなさ、身体の痛みや重さといった形で表れやすいでしょう。

 

気が付かないうちに日常のなかで彼らにガマンを強いてきた人は、フラストレーションや怒りという形で不満があふれやすいときでもあります。ごまかしてきたことがあるなら、白日のもとにさらされて、責任をとらなくてはいけなくなったり、逆に誰かのせいでこんな目に遭っているのだと言いたくなるかもしれません。


しかし、インナーファミリーが心地よく安全に暮らせるようにお世話するのは、自分の務めです。

 

 

良いコーチが、チームメンバーひとりひとりの個性や強みや弱点を理解して、彼らに適した才能の伸ばし方や、ポジションを与えつつ、全員で団結しようと働きかけると、活力のある良いチームになるように、自身の内なる家族の個性や特徴を把握して、心地よく生きていけるように思いを寄せることが、私たちにとって最大の仕事といえるかもしれません。

 

獅子座のテーマは「自分を生き、自分を表現することで、自分であることを世界に証明する」です。そこには正しいとか、間違っているとか、求められているとか、いないとか、やってもいいのか、悪いのかなどは関係ありません。自分の人生に自分が許可を出さずして、誰がゆるしてくれるというのでしょう?
 

あ、わかっていると思いますが、好きなように生きる=社会のルールを無視してもいいということではないですよ(笑) 大人としての社会的常識を携えながら、この地球フィールドで自分を表現して、自分の道を創り出すことです。

 

いまここにある危機と、内から湧き上がるフラストレーションを利用して、もっと自分の「内なるチーム」にとって最適な人生に変身することができるときです。冥王星のパワーを借りて華麗に転身するもよし、「絶対に変わらないぞ」とかたくなさを貫くもよし。

 

8月8日を中心に「ライオンズゲートがひらいている」と業界では言うらしいですが、この日は獅子座のど真ん中。真夏に輝く太陽が、自分の内なるたましいが解放されて、持っているもののすべてで生きることをうながしているようです。

 

外側からの圧力が、グッとかたくなな内側の殻を破って、光をあふれさせることもできるかもしれない、獅子座の新月です。