【新月】2020天秤座新月★三つの矛盾を抱えるとき | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

2020年10月17日4:30に天秤座の新月ですてんびん座


今年はさまざまな面で本当にいろいろなことが変わりつつありますが、この秋は特に私たちの内側、精神の深いところからじわじわと何か変化していくものがある感じですね。

 

日々の中でそういうものを感じませんか?

目に見える生活や仕事は一見、落ち着きを取り戻しつつあるようだけど、その内側では何か閉塞感とか焦りとか正体のよくわからないプレッシャーとか感じていませんか?

 

私はめっちゃ感じています。正体不明の違和感みたいな心地悪い感じが、なんとな~く、うす~く、ずっと近辺を漂っている感じ。

 

 

今回の新月のチャートを見てみると、惑星同士が向かい合う180度のオポジションという角度が複数あるんですよね。オポジションって、ふたつの惑星がそれぞれ正反対の方向へ進もうとするので、そこに緊張とか葛藤とか矛盾が生まれやすいんです。それが複数あるのを見ると、なんだか「あー」って頭をかきむしりたくなるような気分になります。

 

特に今回オポジションとなる三つの組み合わせを見てみると

 

「合わせたいけど、合わせたくない」
「変わりたいけど、変わりたくない」
「感じているけど、感じたくない」


っていう感じなんですよね。この三つの中で、ひとつでもピンとくるもの、ないですか? 私はどれも感じていて「あー」って、なってます。


しかも厄介なことに木星・土星・冥王星の2020スペシャル・コンジャンクションの星たちが4ハウスに入ります。4ハウスって「おうち」とか「安全な場所」の象徴といわれますが、厳密には「私たちの心の深いところ」「プライベートの繊細な部分」の象徴でもあるんですね。もっとも無防備で繊細になるのが「おうちにいるとき」なわけです。とりわけ子ども時代。力がなかった頃の象徴。なので4ハウスの「おうち」は「故郷」とか「過去」も象徴します。

 

そこにお祭りコンジャンクションがやってくると、自分の心の繊細な部分がぐりぐりされるわけですよ。硬い皮膚の下にある、柔らかくて、生々しい痛みの部分をぐりぐりされるというか。普段忘れていた痛みを感じさせられるというか。ちょうど新月前に蠍座にいた水星も逆行になったところだし、なぜだか過去の痛みとか心の闇とかそういったものが、アクのように浮かび上がってきて「あー」って、なりそうなんです。ていうか、私はすでになっているんですが、みなさんはどうですか?

 

そして、特にそれが対人関係を通してやってくるときでもあるんですね。

 

私たちは誰もが対人関係のなかでパターンを作ってしまうものです。で、それは大体ふたつに分かれます。

 

「思い通りにしたくて強引に仕切る」あるいは「相談しないで決める」か「揉めるのが嫌だから相手に合わせる」そして「自分を出さない」ですね。これは火星(主張)と金星(協調)の働きで、本来はその押したり引いたりというのを交互にやっていくのが人間関係なんですけど、つい私たちは存在感とかパワーの強弱で「強引に押し切ってしまえ」というタイプと「もうそれでいいです」というタイプに分かれてしまいがちなんですよね。特にいつもそばにいる人とのあいだでは、力関係が固定されてしまいやすいというか。

 

しかし今回の天秤座の新月図においては、そこが下剋上みたいな感じがあるんです。さっきの心がぐりぐりの影響もあると思うんですけど、対人関係のなかで感受性が高まりやすく「なんでも合わせたくないし」「イヤなものは何かイヤだし」「私のことも、もっと尊重してほしいし」といった感じで、自我が強くなる雰囲気なんですね。自分の思いとか感情とか存在をいい加減に扱われたくない、ちゃんと認めてほしいという気持ちが高まってくる「私」という下剋上なんです。

 

そしてそれは「いつも私ばっかりガマンしてきた」「本当は怒ってる」あるいは「本当は悲しい」「いつも無視されてきた気がする」……なんでもいいんですけど、そんな心の深いところに置いてきた感情まで、一緒に呼び醒ますことになりそうなんですよね。

 

でもだからといってケンカしたいわけじゃないんです。揉めたいわけじゃない。仲良くしたいし、相手が苦しいなら助けたいとも思う。でもだからといって自分を無理させたいわけでも、犠牲にしたいわけでもない。
 

ということで「合わせたいけど、合わせたくない」なんです。

 

 

そして同時に「感じているけど、感じたくない」でもあるんですね。心の深いところから湧き上がってくる、黒い感情。そこにざらっと触れる心地悪さ、湧き上がってくるような苛立ち、焦燥感。じわじわとくる、深い感情。感じることは時々、痛くて、苦しくて、しんどいのです。まるで見えない暗い穴のまわりを、ひとりで頼りなく歩いているような、心もとなさにもなるでしょう。

 

だからもう感じたくない。感じている暗さを切り離して、楽しくてしあわせな世界に逃げ込みたい。心地悪さのない世界へ行きたい。

 

ということで「感じたくない」が募ると、逃避や引きこもりにもなりやすいときなんです。とにかく自分の世界に閉じて、煩わしいものをすべて切り離してしまおうと。

 

でもそんなことをしたって、影はどこまでだって追ってくるんです。だってそれは本当は外ではなく、自分の内にあるんだから。
 

だから本当は、見たくもないし感じたくもないかもしれないけれど、あきらめて、しっかりと目を開けて、それらを受け入れて、自分のすべてで生きるというやり方に変えるほうが、結局は楽なんです。

 

だけど変わりたくない。それがいいとわかっていても、本当に自分が求めているものがそれだと知っていたとしても、それでもなぜか私たちは調教された犬のように、反射的に古いパターンを選んでしまう生き物なのです。

 

「変わりたいけど、変わりたくない」


そんなわけで、微妙な心地悪さと共に「あー」とか「うー」とか言いながら、自分を感じて過ごしています。いろいろな葛藤や矛盾のバランスを、絶妙にとっていく天秤座の新月です。