【秋分2019】欠落を愛が満たしていく | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

2019年9月23日16:50に太陽が秋分点を通過しますてんびん座

これから半年は昼よりも夜の方が長くなる陰の季節。

目に見えるものの背後にあるエネルギー。

外に対して働きかけている、その内側にあるもの。

陰の時期に丁寧に内側を整えておくことで、陽の季節に転じた時に、より大きな力を外に向けて働きかけることができるでしょう。


時代のパラダイムを迎えている2019年。

夏至からの3ヶ月のテーマが「正しい火星の使い方」だとすると、秋の3か月のテーマは「正しい金星の使い方」と言えそうです。

2019夏至・正しい火星の使い方
https://ameblo.jp/light-side/entry-12483991429.html


変わっていくもの、それに抵抗するもの、忙しい日々の中で気付かずにいるもの……。

やることに追われていると「いまここで何が起きていて、それに対して自分がどう感じているのか」ということを見落としてしまいやすいでしょう。


忙しい大人を相手に「ねえ、ママ見て!!」と、子どもは言います。

 

ねえ、ママ、わたしを見てよ。気づいてよ。

 

ずっとそばにいて、見守っていてよ。

わたしたちにとって金星の象徴する愛とは、見て、気づいていること。

そして何が起こっているとしても、その事実を認めて受け入れること。



わたしにいま、何が起きているの?

わたしはいま、何を感じているの?


関心の目を向け、問いかけて、そこで訴えているものが何であれ、起きている事実をそのまま受け止める。

とてもシンプルで、それでいて難しいこと。

わたしの欲求を、不満を、情熱を、苦しみを、訴えを、押し殺しているものを、見つけ出して、認知する、金星を成熟させる秋の季節です。



人の話をありのまま聞くことは難しいなと、常々感じます。

わたしは、話をほとんど聞いてくれない母親に育てられたので、大人になってからできた話を聞いてくれる友人たちの存在は、それはありがたいものでした。

去年から自己探求を深めていくワークグループに参加しているのですが、ここではお互いの話を黙って、目を見つめて、何も反応せずに聴くというワークを繰り返しています。

これまでにもいろいろなワークグループに参加しましたが、この「黙って、目を見て、反応せずに、話を聞いてもらう」というワークは、わたしにとって多くの気づきと癒しをもたらしてくれます。

黙って、受け止めて、そして反応しない……これこそが愛だなとつくづく思います。


わたしたちは誰もが経験則的に身につけた、その人ならではの「前提」を持っているため、通常のコミュニケーションではその「前提」のフィルターを通して相手の話を聞いています。

そして相手が望んでいることとは関係なしに、自分の前提のバイアスをかけて反応したり、ジャッジしたり、関心したりするでしょう。

そして、自分が話す時も、聞く相手自身の前提のフィルターを通して、それは受け取られます。

話が噛み合わず、誤解に報復を重ねていく他国間コミュニケーションをニュースで見るにつけて、対話の難しさをつくづく感じます。


もし、自分の前提を脇において、相手の話や感情をただ黙って、愛と慈しみをもって受け取ったとしたら、いったい何が起こるでしょう。

相手が何も反応せず、ただ黙って受け取ってくれるだけで、深い気づきと癒しが訪れるという体験をわたしは何度もしてきました。

ただ黙ってそばにいてくれること。

わたしの中で起こっているプロセスを、共に見守ってくれること。


見て「何もしない」力は、とても強いもの。

わたしたちは見られていると、何か反応されるのではないかと恐れます。

これまでコミュニケーションを通して、わたしたちはどれだけ反応されてきたのでしょうか。

正直に思っていることや起きていることを話したら、怒られたり、否定されたり、無視されたり、泣かれたり、説得されたり、陰口を言われたり……その経験に、わたしたちの心は気づかない内にうんざりしているのかもしれません。

そしていつしか心を守るために、相手の顔色を伺いながら話すことを変えたり、話すことをやめてしまったり、何も言われないように遮断したりするようにもなったのでしょう。


でも本当は受け止めてほしい、知ってほしい、理解してほしい……わたしたちの心は、ただ自分に起きていることを、そのまま受け取ってほしいのです。

わたしがいま、何にワクワクしているのか、何に傷ついたのか、何を体験したのか、何を感じているのか。

わたしの望んでいること、恐れているもの、つい繰り返してしまうこと、絶対に成し遂げたいこと……。

話すことで心は解き放たれて、受け取られることで安堵が広がります。

受け止められる経験こそが、愛。


受け止められることで気づきがやってきて、それをするか/しないか、選択する余裕も生じるでしょう。

過去の前提からではなく、いまこの瞬間の正直さから選択できること。

それこそが、金星のもたらす愛の恩恵といえるかもしれません。



金星の象徴する愛や快楽や豊かさとは、適切であってこそ人生を輝かせてくれるでしょう。

痛みを誤魔化すためにたくさん食べたり、苦しみから逃れるために眠りすぎたりしても、決して満たされることはありません。

わたしたちの親や、教師や、上司や、パートナーが、もし、もっとわたしの言うことを受け止めてくれたなら。

そして同じようにわたしたちが親や、子や、パートナーや、部下や、友人たちの話をただ黙って受け止めて、寄り添うことができたなら。

コミュニケーションは、関係性は、わたしをとりまく世界は、どんな風に変わっていくのでしょう。


誰もが完璧ではないから、お互いをゆるし、ただそこに寄り添って、受け入れる。

わたしに起きていることを、感じていることを、傷ついていることを、したいことを、ただ黙って聞いてほしい。

そしてあなたの想いを、望みを、苦しみを、経験を、気づきを、わたしに話して聞かせてほしい。



それぞれの人生を、さまざまな経験を重ねて生きているわたしたちが、繋がることのできる、唯一の対話という架け橋。

足りないことを責め合うのではなく、お互いの持っているもので、満たし合う。

わたしの欠落を愛が満たしていく、成熟した秋の季節です。