2017年5月11日06:42に蠍座のウエサク満月です
ブッダが悟りをひらいたとされる蠍座の満月は、ヒマラヤのウエサク渓谷に、アセンデット・マスターたちが集まるといわれています。
ウエサク渓谷だけでなく、世界中に満月の強い光が満ちるとき。
牡牛座の太陽が象徴するのは肉体を持って地上で生きることであり、蠍座の月が象徴するのは個我を超えて万物の極致と一体化すること。
蠍座の満月は、わたしたちが身体を持ったまま、その体感を通して、宇宙の源と触れる神秘を体験できるときなのかもしれません。
わたしたちが自分自身の身体に深くくつろぎながら、静かに、ただ静かに、その内側で起きることをジッと眺めていると……思考が止まり、ハートが空っぽになり、身体がくつろいでいると…やがて個我が消え去って、代わりに『おおいなる、なにか』と一体化する瞬間が訪れるのかもしれません。
それは精神の深いレベルで感じる、天地の極みを垣間見るような瞬間かもしれず…そしてその体験を通して、わたしたちはじんわりと変容していきます。
これが蠍座のもたらす神秘です。
今年は5か月後の10月10日から木星が蠍座に入宮しますが、それはわたしたちがすべての物事に対して表面の出来事だけではなく、その奥で起こっていることに気づいて、明らかにしていくときであることを示しています。
今回の蠍座の満月は、その時期と関係しているでしょう。
自分自身の深みから、究極の真実に触れることができるかもしれません。
◆新しいアイデアを試してみる
今月の満月図の上昇宮は双子座にあります。
双子座というのは知的好奇心を発揮することで、日常をより快適に充実させるヒントを見つけ出すサイン。
日々の暮らしや仕事を、どうしたら、もっとバラエティ豊かで心地よくなるのか、そのアイデアを探し出すことを得意としています。
双子座の守護惑星である水星は牡羊座にあり、天王星とぴったりとくっついています。
牡羊座はまだ方向性の定まっていないアクティブなエネルギー、そして天王星はひらめきや思いつきを示しています。
この星の配置から、水星が非常に活性化して、次々と面白いアイデアを思いついたり、なにか新しいことをやりたくなったり、これまでやってきたことにアレンジを加えて変えたくなったりするかもしれません。
これは脱マンネリのチャンスであり、いまの自分を活かしたより新しいやり方にバージョンアップするのに良いタイミング。
牡羊座は結果を出すことより、思いきってやってみることに意義のあるサインですから『どれがうまくいくかわからないけど、とにかくいろいろ試してみよう』という気持ちで、さまざまなアイデアの種を蒔いておくと良いかもしれません。
そのなかから、思いがけなく大きく成長するものがあるかもしれません。
その成果は夏から秋頃に実りとして感じられるでしょう。
◆身体を通して、愛の神秘を体験する
その一方で太陽と月は12-6ハウスにあって、こちらは静かに自分の内側で究極の神秘を体験しようとしています。
12-6ハウスは調整の部屋であり、浄化の部屋。
ここでわたしたちはいまの自分に必要ないものを物理面、精神面共に手放しておくと、これから先の営みがもっとラクで軽やかなものになるのかもしれません。
牡牛座も蠍座も所有や執着と関係するサインで、一度手に入れたものを手放すことがむずかしいもの。
しかしここで、いまはもう使わない物や、関係や、習慣や、感情や、思考パターンが手放されていくかもしれません。
瞑想を通して、身体の感覚から静かに個我を超えて、神秘の一端を心の深みで感じることで、わたしたちの変容が生じます。
わたしたちは源に触れることによって、普段眠っている意識が目醒めるのです。
目醒めが生じると、古いものに固執することはなくなり、自分に必要なものだけを、おのずと選び取ることができるでしょう。
すっきりと新しい朝を迎えたような心持ちで、自分自身の起源に回帰する。
いま、変容の時代の真っ只中にあり、いつどのようにでも動くことのできる、軽やかな自分になっておくことが求められているでしょう。
静けさのなかで、世界と心の深みに触れて、そこに沈んでいた澱を根こそぎ掻き出して、生まれ変わるような。
身体を通して、愛の神秘を体験するウエサクの満月です。