2016年12月14日09:05に双子座の満月です
地球は太陽系に属していますが、その太陽系は大きな渦巻状の天の川銀河のなかをおよそ2億年の年月をかけて周回しています。
天の川銀河の渦の中心は、地球から2万6千万年光年の彼方にあって、それは現在の地球からみると、射手座終盤の方面にあたります。
毎年、冬至へ向かうこの時期は、銀河の中心へと向かう深淵な季節。
寒さと共に澄みわたる空に瞬く星たちを見上げて、自分自身の内なる星へと還る満月です。
◆大人と知性と感性を持ったまま、リセットする
『自分自身』とめぐり合うために、わたしたちはこれまでさまざまな旅をしてきました。
はらはらと殻を剝がすように、すこしずつ自分に近づいて、対話し、その心のうちにあるものを解放してきたかもしれません。
そしてこの冬、わたしたちは更なる脱皮のときを迎えます。
過去から持ち越してきた感情やマインドのパターンをリセットして、クリアな『御魂(みたま)』に還ること。
感情でも思考でも肉体でもない、もっとも純粋な『自己存在』とつながり、これまでの人生で溜めこんできた数多の澱を祓って、なんの思いこみも偏見もなかった頃のように、ただ、あるがままを見て、観じる心を取り戻す……。
遠い過去の、一途で純粋だった頃のように。
大人の知性と感性を持ったまま、過去のパターンから作られた、ジャッジと偏見とをリセットする。
限りなく透明に、純粋に、心と身体を整えて、過去も未来もなく、たったいま、起きていることと正面から向き合うときに、わたしたちはもっとも力を発揮することができます。
先のことを心配しすぎても、なにが起こるかわからないし。
過去の出来事にとらわれていても、事実を変えることはできません。
わたしたちができることは、いまここでの『思い』や『見方』を変えること。
そして集中して、最善を尽くすこと。
それが、道を切り拓いていく唯一の方法です。
身体の感覚を鋭利に研ぎ澄ませて、起こっていることを全身で感じ取り、風を読み解いて、直感で選び取る。
これから先は過去の前例とは異なることが起こっていく時代。
だからこそ過去のデータを一旦まっさらにリセットして、自然の営みを読み解く力が必要となります。
考えてもわからないことにエネルギーを使うよりも、いま起こっていることにすべてのエネルギーを向けて、その時々で瞬時に判断し、即座に動いていくほうが安全です。
いろいろなことがますます便利になってきていますが、そこに甘んじていると、わたしたちの機能は衰えていきます。
便利さに依存するのではなく、短縮されたその時間を使って、代わりになにを成し遂げるのか。
自分の『オプション』を開発することが進化の道です。
未知の可能性を開花させて、新しい時代の流れに飛び乗っていきましょう。
◆いつでも、どこでも、なにをしていても
わたしたちが自由を手に入れるためには、能力を余すところなく発揮する必要があります。
知性や感性、技術や社交能力、直感力と体力と精神力、それらを統合して的確な判断をくだす決断力と行動力。
自分に対する絶対的な愛と信頼。
それらがあれば、わたしたちはどこで何をしていようとも、その時々の状況と環境に適応して、自由に暮らしていくことができるでしょう。
そして、それらのなにかが欠けているとき、わたしたちは何かに依存したり、必要以上に求めたり、執着したり、諦めたり、考えすぎたり、慎重になったりするのかもしれません。
地球は1年かけて黄道12星座の輪のなかをめぐりながら、さまざまな恩恵を受け取り、成長しています。
地上に住むわたしたちも、日々宇宙の星たちの恩恵を受けて、自分の内なる惑星意識を総合的に育てていくことが成長につながるのでしょう。
動物のなかで唯一、高度な知性の獲得に成功したわたしたちは、その大きな脳を支える身体を育むために、未分化の小さな頭の状態のうちに産み落とし、後天的に知性を育てるというやり方を採用しました。
それゆえ他の動物より、成体になるまで多くの時間を要するうえ、知性は自動的には育たず、その時々の状況に応じて必要なものをプログラミングすることが求められます。
手間がかかる分、適応性は非常に高く、どのような環境であろうとも、個々がカスタマイズして、自由に自分を育てていくことができるのが人間です。
便利な世の中になって、かつては人のなかにプログラミングされていた内容の多くが、いまや大半が外付けのオプションとして、機能しています。
その分、わたしたちのなかで、磨かれるべき未分化の領域が多く、残されているいま、そこをどのように磨き上げて、活かしていくのか、問われているのかもしれません。
双子座の月と、射手座の太陽は、いずれも柔軟の質を持つ星座で、わたしたちがいついかなるところでも自在に適応し、能力を発揮することをうながしています。
大きな変革の時代を迎えているいま、場所や役割に限定される生き方から『いつでも、どこでも、なにをしていても』生きていけるような、人間本来の力に目醒めるときがやって来ているのでしょう。
自在にカスタマイズできるがゆえに、ひとつの環境に縛られることなく、地球上のあらゆるところに適応できるのが人間という動物です。
さまざまな制限や思いこみのパターンをはずして、いつでも、どこでも、なにをしても生きていける自分を育んでいく、双子座の満月です。
内なる声を聴き、天の星とつながって、不要なものをはらはらと剝ぎ落していく。
静寂の夜に、輝く銀河と、息づくわたしの鼓動とだけが存在するかのような。
かりそめのアイデンティティを手放して、あらゆる限定的な在り方から自由になる。
人生の大いなる可能性に向かって、大きな矢を放つ。
銀河とつながる満月です。