木星はおよそ12年かけて太陽のまわりをひとめぐりする星。
約1年間ひとつの星座に留まって、そのあいだに滞在する星座のテーマを発展させていきます。
今回は2017年10月10日の約13か月のあいだ、木星は天秤座に留まります。
木星が天秤座に入宮したら、どんなことを意識するとよいのか、何度かに分けて書いてみようと思います。
◆すべての選択肢から最善の調和的な答えを導き出す
木星が天秤座に滞在している期間は、人生のあらゆる出来事に対して、バランスをとることが求められます。
天秤座の性質のひとつに【何事も結論を出すまでに時間がかかる】というものがあります。
天秤座は極端に走ることを好まず、調和を愛するサイン。
ひとつの結果を導き出す前に、あらゆる方向から、それを検討することを望みます。
可能な選択肢をすべて並べて、多角的に吟味し、推考を重ねたうえで、もっとも確実な結論を出したい。
メニューを隅から隅まで読んだり、どんなレパートリーがあるのかすべて調べたり、誰かの意見の聴き漏らしがないか公平にチェックしたり……。
【すべて選択肢から、最適で最善の調和的な答えを導き出す】
ここに天秤座の本質があります。
『わたし』と『外側の世界』との関わりにおいて、おたがいの持つ可能性をすべて並べたうえで、ベストなハーモニーを創り出す。
そのことを天秤座に入る木星がうながしてくれるでしょう。
◆世界のあらゆるものに調和と美しさを見出す
木星が天秤座に滞在している時期は、世界のあらゆるところに、調和と美しさを見出すことが重要です。
わたしたちは世界のなかで、美しさや、愛が表現された形を見出したときに強烈な幸福を感じます。
美しい風景や自然美、均衡のとれたアート、鳴り響く澄んだ音や鮮やかな色彩、しなやかな肉体美、献身的な愛や思いやりの物語……。
あらゆる状況のなかに優美さを見出したときに、あふれ出る多幸感。
特にこの時期は対人関係において調和を創り出すことが幸福と関わってきます。
コミュニケーションを通して、おたがいを理解しあい、フェアで均衡のとれた関係を築くこと。
天秤座の星座で、天秤を持っているのは正義の女神のアストライアです。
彼女は誰かが虐げられていたり、不平等があったり、卑怯なおこないや不正があったりすることを決して見過ごしません。
自分とは直接的に関係ないことであっても、あらゆる人々の権利が守られ、尊重されることを望むでしょう。
それゆえ天秤座は嘘や不正や不平等を好みません。
正々堂々とした、公平で、均衡のとれたパートナーシップ。
それが天秤座の女神の象徴する調和です。
◆『わたし』と『あなた』をつなぐコミュニケーションの架け橋
他者との関係性を通して精神的な成長が期待できる13か月です。
他のどんな方法よりも、他者との関係を通して、わたしたちはもっとも自分自身の多様な側面に気づくことができるでしょう。
自分を深く知るために、パートナーシップはとても重要です。
他者という鏡なくして、わたしたちは自分の真の姿を映し出し、理解することはむずかしいでしょう。
それゆえに、他者と向き合わず、やり過ごしてしまうことは、真の自分から顔を背けているのと同じ行為です。
他者と自分とのあいだに横たわる、たびたび繰り返されるパターンのなかから、わたしたちはより多くのことを理解するでしょう。
『わたし』と『あなた』をつなぐ、架け橋となるのがコミュニケーション。
相手が誰であれ、わたしたちは正義の女神アストライアのように、余すところなく、その話や意見をしっかりと聞くことが大切です。
そしてまた正々堂々とフェアに、自分の意見やおかれている状況、選択できる可能性や、内側にある感情などを、余すところなく相手に伝えることも重要です。
そのようにして『わたしの本心』と『相手の本心』をすべてテーブルの上に出して並べておいて、それから……
ふたりでじっくりと、どれを選択をするのがおたがいにとってベストなのか、心地よいか、均衡がとれているか、どちらかが無理をしたり不公平であったりしないか、時間をかけて、さまざまな角度から検証しながら、美しい調和点を見出すこと。
これが天秤座のコミュニケーションであり、あらゆる関係を心地よくするためのカギとなるでしょう。
これから13か月のあいだ、人生に均衡をもたらし、他者との関係に調和を見出すことが発展するためのヒントです。
自分の内側にある、もっとも美しい部分とのつながりを深めて、外の世界との調和をはかりましょう。
世界のそこかしこで均衡が崩れている変容期のいまは、混沌や不調和を見出すことは簡単にできます。
しかし、だからこそ、内なる正義の女神とつながって、そこに愛と調和を見出すことが、わたしたちの道を切り拓く新しい一歩となるのでしょう。
内なる天秤の力で、自分に恥じないフェアな在り方を貫いていきたい13か月です。