13歳になる娘が夏休み直前におかしくなりました。
四つんばいで歩いたり、紙を食べたりするのです。
四つんばいで歩いたり、紙を食べたりするのです。
霊能者の人にも見てもらったら、悪い霊が三人も
憑いていると言われました。
憑いていると言われました。
娘は憑かれやすい星の生まれなのでしょうか?
夏休みのある日、そんな相談を受けました。
(※プライバシーに配慮して
実際の相談とは多少内容を変えています)
実際の相談とは多少内容を変えています)
占星術のホロスコープ・チャートから感受性の高さや
ある種の霊的なものとの感応しやすさみたいなものは
読み解くことはできます。
ある種の霊的なものとの感応しやすさみたいなものは
読み解くことはできます。
実際にそのお嬢さんも、とても感受性が強そうでした。
しかし、それだけで、人は四つんばいになって
紙を食べたりはしません。
紙を食べたりはしません。
お母さんはもしかすると、なんていうかとてもマジメな
気質で、お嬢さんにも小さい頃からしっかりするように
言うことは多くなかったですか?
気質で、お嬢さんにも小さい頃からしっかりするように
言うことは多くなかったですか?
そうだと思います。
人から笑われないように、おかしいと思われないように
けっこう厳しくしていたとは思います。
けっこう厳しくしていたとは思います。
でも、それはこの子のためで…この子が困らないように。
……わたしは自信がないんです。
……わたしは自信がないんです。
専業主婦が長いせいか、なにもできないと思っています。
子どもが大きくなったので、そろそろなにかをしたいと
思うこともあるのですが、いったい、わたしなんかが、
なにができるのでしょう。
おかしなことをしてと笑われるのではないかと思って、
なかなか一歩が踏み出せません。
思うこともあるのですが、いったい、わたしなんかが、
なにができるのでしょう。
おかしなことをしてと笑われるのではないかと思って、
なかなか一歩が踏み出せません。
その矢先に娘がこんなことになってしまって、どうにか
二学期までに元に戻って学校に行ってほしいのですが…。
二学期までに元に戻って学校に行ってほしいのですが…。
わたしには、なにもできない。
わたしは、自信がない。
その気持ちは他への依存をうながして
外側に正しさを求めるようになります。
そして、できる人や規範と比べて、ますます
自分なんてダメだと思いこんでしまうスパイラル。
外の世界と自分とのあいだに横たわる違和感は
自分が未熟なせいだと思いこんでしまいます。
自信のなさは完璧主義を呼び起こします。
正しくありたい、正しくさせたいと思う。
人から見て、おかしくないように。
自分が未熟なせいだと思いこんでしまいます。
自信のなさは完璧主義を呼び起こします。
正しくありたい、正しくさせたいと思う。
人から見て、おかしくないように。
くるしい。
生きていることが、とてもくるしい。
生きていることが、とてもくるしい。
わたしは誰? わたしが間違っている?
わたしはこの世界とは相容れない存在?
わたしと世界のあいだに深い溝のような乖離があって
わたしの声が世界の誰にも届かないような気がする。
わたしの声が世界の誰にも届かないような気がする。
わたしのすべて、存在そのものが間違っていて
世界のどこにも居場所がないように感じる。
世界のどこにも居場所がないように感じる。
間違っている、わたし。
間違いを証明しなくては。
この世とわたしとは相容れない存在なのだから。
紙を食べ、服を切り裂き、床に頭を打ちつけて、壁を
かきむしった指先から血を流しても鈍い痛覚をいまだ
感じる自分がおかしいと思った、14歳の夏。
かきむしった指先から血を流しても鈍い痛覚をいまだ
感じる自分がおかしいと思った、14歳の夏。
世界から乖離しているなら、痛みも感じないはずなのに。
…ああ、困ったな。
お母さんは泣いているのに、わたしの心は
ここにはいない、お嬢さんに共鳴してしまう。
あなたはなにも間違っていないし、
もっと自分と世界を信頼して、
自分を預けてもいいと思うんです。
お嬢さんを救うのは、世界がどのようであろうとも
「わたしはこれでいいのだ」とお母さん自身が深く
自分を信じることだと、どうすれば、届くのだろう。