順行に戻りました

このまま火星は7月26日まで天秤座を一気に
駆け抜けていくことになります。
2013年12月8日に入宮して以来、およそ7か月半のあいだ
天秤座に滞在している火星のラストスパートですね

火星は太陽のまわりを2年かけてめぐる惑星ですが
地球と公転の関係上、2年に1度、およそ半年ぐらい
ひとつの星座に滞在しているように見えます。
それが今回は天秤座

ちなみに前回は2011年11月から2012年7月まで
火星は乙女座

その期間に普段は慎重派の乙女座が、勇気を出して
独立・自立するという行動が随所で見られました。
火星はエネルギーの塊のような惑星で、強い行動や
勇気や決断力をもたらします。
火星がある星座に長期滞在すると、その星座が象徴
する事柄や、星座を持っている本人に、強い決意や
促進力をもたらす傾向があるようです。
あと2か月は、天秤座に勇気や決断力といった力が
注がれる、ということですね

( ここでいう天秤座とは太陽星座のみならず…です )
実際に天秤座になんらかの星が入っていたり、ハウスが
強調されていたりする人は昨年末から今年の春にかけて
大きな決断や内面の動きがあるように感じられます。
また、普段は温厚な天秤座の方が、イライラしていたり
フラストレーションを溜めこんでいたりするのも各地で
見かけております。
全般にいえることですが、天秤座はパートナーシップを
表す星

個人が全体と調和して誰とでも適当にうまくやるような
社会性は、この天秤座が司るもの。
個性を発揮しながら、他と調和する感覚です

わたしたちは自分を知るとき、外の世界に触れることを
通して、それを理解していきます。
手が宙ぶらりんにあるとき、手はなにも感じません。
なにかに接触したときに、手はその接触面を通して
外にあるものを感じ、また同時に自分自身の手を
感じていきます。
わたしたちは相対的に外の世界に触れてみることでしか
自分の内側を知ることができないようになっています。
外側の世界との接触面が広がっていくほどに「わたしは
誰か」ということを理解するのでしょう。
天秤座は他者を通して自分を知る星座であり、自分の
個性を発揮することで他者を受容していく星座です

わたしたちは自分を受け容れて、尊重し、個性を外側に
魅せていくことで、他人を受け容れ尊重し、その個性を
認めていくことができるのでしょう。
天秤座の火星はそのことに意識的に行動を起こしていく
レッスンの時間です。
わたしたちはときに自分を表現することを怖れます。
他人と違う自分を見せること、他人よりも目立つこと
あるいは他人よりも劣っていること。
わたしたちはまわりと調和するため、バランスを取る
ために、個性を抑えることがあります。
だけど本当の調和は、自分の個性を発揮して、自己を
表現することでしか、創ることはできません。
わたしたちは相対的に動いていくため、自分に許して
認めているものを他者にも許し、自分を抑圧している
ものを他者にも抑圧させたいと無自覚に思うのです。
そのことに気づいて、自分を解放しながら、他者と
調和的につながっていくことが、天秤座の火星期に
実行したいパートナーシップです

内に秘めたガマンや自己卑下や無価値感は、相手に
対する怒りでや強制力や嫉妬や束縛に転じます。
それが良いとか悪いとか、直せとかありのままとか
そういうことではなく。
なにが出てきても、自分の投影しているものに気づく
チャンスだということです

この時期、恋人や伴侶、親友や仕事のパートナーや
クライアントなどを通して、そこで生じる感情が
どのようなものか、よく眺めてみましょう。
感情のきっかけとなった言葉や、相手の態度から
パートナーに期待しているものがわかるはずです。
わたしたちはパートナーシップを通して
自己の魂を充足させようとします。
でもそれは本当は、自分が自分に与えたいもの。
わたしたちの内と外は常に相対して共鳴しながら
陰と陽のあいだを動いていくものです。
わたしたちはいつも、他者という鏡を通して
自分の心の死角を見るのでしょう。