黄道と天の赤道の交点である春分点に至り
わたしたちの新しい一年が始まります。
春分点は牡羊座の0度地点であり
新しい12サインの旅のスタート地点でもあります。
占星術では太陽系の天体の配置から
運勢や性質を読んでいきますが
水星、金星、火星、木星、土星…といった
星の影響は、すべて太陽を経由して
地球に流れこんでくる、という印象をわたしは
抱いています。
なので春分点のような太陽と地球が特別な
角度を作る日は、ドッと堰き止められていた
星の力のようなものが、地球に流れこんでくる
感じがあります。
それらはすべて、地上にいるわたしたちの
意識を引き上げ、成長へ向かわせるための
働きのようなものです。
それに対して、わたしたちの体験や記憶を
蓄積して、意識が忘れていたようなものを
喚起させるのは、月の働きです。
新月や満月といった特別な月の日は
わたしたちが忘れかけていた過去の経験や
表現しきれなかった感情が、意識にのぼって
きやすい日といえるでしょう。
昨日3月20日は、魚座の最後の度数を太陽が
通過中で、明け方に乙女座の満月でした。
しかもスーパームーンという
地球と月が最接近する日で、月がいつもより
とても大きく見える特別な満月です。
満月はわたしたちの心が感じないようにしていた
感情を、ハートの深いところから喚起させます。
月が地球に近づくほどに、その働きは強くなって
いくので、ここ数日、わたしたちの感情はおおいに
揺さぶられ続けたことでしょう。
わたしたちが体験した、ショックと悲しみは
いま現在も苦しい思いをしている方がたくさん
いらっしゃることを考えると、そう簡単に癒やされる
ものではないかも知れません。
だけれども、わたしたちは、それでもしっかりと
生きていくことに意識を向けていく必要があるの
でしょう。

春分時のチャートを作ると、太陽が12ハウスに
入り、天王星と重なります。
12ハウスは、わたしたちの内的創造の世界。
わたしたちの外側の世界は
わたしたちの内側が見たいものを映し出します。
いま、わたしたちが希望に目を向けるか
あるいは、絶望に目を向けるか。
そのどちらを意図するのかが大切でしょう。
エネルギーは意図に従います。
わたしたちは見ているもののほうに自然と
向かっていく傾向があります。
置かれている状況が大変厳しいものであっても
だからこそ意識高く、希望を捨てず、毎瞬ごとに
愛あるほうへ、光あるほうへ、心を傾けることが
平和な外側の世界を創造していきます。
わたしたちが愛や光や豊かさや希望を内側に
抱くことで、外側の世界にそれらは投影されて
いくことになるでしょう。
わたしたちの誰もが、もっと良くなりたい
成長していきたい、学んでいきたい、と
本心から願っています。
だけれども同時に、難しさや不安を感じたり
ムリだと諦めたり、自信がなくなったり、
面倒に感じたり、やる気がなくなったりすることが
あります。
良くなっていきたい、と願うわたしと
そんなことはムリだ、と思うわたし。
どちらが真実のわたしなのでしょうか。
本当のわたしは、それらを見ていて、どちらにも
与していない、中庸のわたし、なのではないかな
と思うのです。
ひたすらに理想を追求するのではなく
エゴの声にひれ伏すのでもなく
静かに、内側の声を聴く。
わたしの身体が求めていることはなにか
わたしの心が求めているものはなにか。
わたしの知性はなにを学びたい?
わたしの魂はなにを欲している?
外側の世界の情報によって身の置き場を
決めるのではなく
自分の内側が求めている声をよく聴いて
真実に従った行動をとること。
それが正しいかどうかは誰にもわかりません。
辞書のように正しい答えがどこかに書いて
あるわけではないし、誰かがその答えを
知っているわけでもないでしょう。
だけれども、ひとつだけいえることは
いついかなるときも、わたしたちの誰もが
そのときの最善を尽くして行動している
ということです。
信頼を世界の外側ではなく
自分の内に置いて
ハートの声にしたがって
真実を生きる勇気をいま。
春分のエネルギーは、わたしたちがこれから
1年のあいだに見たいものを、創造する力を
与えてくれます。
どうか今日一日は、愛や希望や美しいもの
豊かなもの、光の輝き、思いやりといったものに
意識を向けて、お過ごしください。
どうかわたしたちのこれから一年の旅路が
豊かで安らかで愛あふれるものでありますように。